<合区の争点・2>砂防ダム維持 支援必要

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新設だけでなく維持管理も重要となる砂防ダム(高知県津野町で)
新設だけでなく維持管理も重要となる砂防ダム(高知県津野町で)

土砂災害

 南海トラフ地震対策を進める徳島、高知両県だが、命を脅かす災害は地震だけではない。その代表格といえるのが、台風や豪雨などによる土砂災害だ。

合区解消 「具体策探す」

 林野庁の「都道府県別森林率」(2017年3月31日現在)によると、高知は84%で全国トップ、徳島も76%で8番目と高く、山間部に住宅も多い中、ハード、ソフト両面に課題も残る。

 高知県には土砂崩れなどが想定される「土砂災害警戒区域」が約2万か所あり、うち約1万8000か所は甚大な被害が懸念される「土砂災害特別警戒区域」だ。年間降水量は1991~2020年の平均で全国1位。4~9月の半年で全国の年間平均量に達する多雨地域でもある。

 近年、人的被害は少ないが、豪雨のない年でも20~40件程度の土砂災害が起きている。西日本豪雨のあった18年には、約170件の土砂災害を確認。高知県の担当者は「たまたま人が巻き込まれなかっただけで、人的被害の危険は十分にある。南海トラフ地震で地盤が緩むことも想定される」と警戒する。

 土石流の被害が起きそうな谷などを中心に砂防ダムの建設を進め、これまでに約2000か所で完成。だが、予算や業者の数の問題などもあって未着手の場所も多く、経年劣化した砂防ダムの維持管理も予算を圧迫。高知県の担当者は「手厚く整備、管理していくための中長期的な支援があれば助かるのだが」とこぼす。

 早期避難を促し、犠牲者を減らすことも重要だが、危険を知らせる高知県公式の防災アプリの登録者数は約4万人と人口の20分の1程度。土砂災害を想定した地区防災計画も、高知県が把握できる範囲では策定例がない。「県民に危険情報を伝えるだけでなく、どのように行動するべきか考えてもらわないといけない」

 約1万2000か所の土砂災害警戒区域を抱え、その9割超が土砂災害特別警戒区域という徳島県でも、ソフト対策を重点的に進めている。

 西日本豪雨の後、警戒区域内の高齢者施設や学校などの60か所に、無線で接続できる小型の「IoT雨量計」を設置。ピンポイントで雨量や危険度を把握することが可能となり、従来よりも迅速に避難を促せるようになった。小中学校などを対象とした出前授業も年40回ペースで実施。現在も約50団体から開催の要望を受けているという。

 砂防ダムも約1200か所に整備。「より広域的に整備していくには膨大な時間と費用が必要」との見解は高知県とも一致するが、徳島県の担当者は「ハード対策だけでは防ぎきれない災害も、全国で起きている。避難を促す取り組みを一体的に進めていく」と話す。(飯田拓)

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3115851 0 ニュース 2022/06/27 05:00:00 2022/06/27 05:00:00 2022/06/27 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/06/20220626-OYTNI50021-T.jpg?type=thumbnail

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