南阿蘇西小児童ら育てた米贈る 豪雨被災 球磨の小学校に
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南阿蘇村河陽の村立南阿蘇西小の5年生25人が、昨年7月の豪雨で被災した球磨村の小学校に体験学習の収穫米30キロを贈った。入学直後の2016年4月、熊本地震を経験した25人は当時、同村の児童から届いた応援メッセージを覚えており、恩返しとなった。(山下雅文)
南阿蘇西小は地震で校舎が一部損壊しつつ、避難所として被災者が身を寄せた。大規模な土砂崩れが発生した立野地区に近く、多くの児童が被災。授業は翌月に再開したが、約200人いた児童の4分の1ほどが転校した。
養護教諭の松本有希さん(36)は「避難所で我慢を強いられ、友達とも突然離ればなれ。心が落ち着かないのか授業中に突然泣き出す子や、教室で暴れる子もいた」と振り返る。
地震後、支援の輪が拡大。球磨村の一勝地小の1年生から届いたメッセージには、手をつないだ子どもたちを折り紙で表現し、「いっしょにがんばろうね!」との一文があった。今も校舎に掲示されている。
南阿蘇西小の5年生は毎年、稲作を体験。今年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校で田植えができなかったが、水の調整や稲刈りは行い、昨年秋に無農薬の
1月、南阿蘇西小で豪雨に関する特別授業があった。校舎が水没した渡小の児童が一勝地小で学び、スクールバスで避難所から通っていたことを知った。今月17日、両小の児童たちに「1年生の時お手紙ありがとう」「水害に負けるな」などとつづったメッセージと収穫米を送った。