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被災公民館 仮設で再開 豪雨の人吉

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ボランティアの手で清掃作業が行われている上薩摩瀬町公民館
ボランティアの手で清掃作業が行われている上薩摩瀬町公民館

 昨年7月の豪雨で甚大な被害が出た人吉市内は、地域の交流の場だった公民館も被災した。上薩摩瀬町では、コミュニティーの維持に向け、町内会とボランティア団体、NPO法人が協力して仮設公民館を開設し、イベントなどを通じ、住民らの憩いの場となっている。町内会長の村口隆さん(51)は「町民が日常を取り戻す一歩としたい」と話す。

 4月2日午前、NPO法人のボランティア2人が、上薩摩瀬町公民館で、水損した壁をはがし、たまった砂ぼこりをはき出していた。今井健太郎さん(39)は「公民館が被災したままでは地域の復興が遠のく。いち早い再建につなげたい」と汗をぬぐった。

 市中心部の西側の球磨川沿いに位置する上薩摩瀬町は、豪雨で町内全172戸が浸水するなどした。

 町内会によると、公民館は木造平屋で、地域の神社境内にあった元保育所を1964年に移築して活用してきた。老人会や子ども会など各世代の拠点だった。

 豪雨では床上約1・5メートルまで浸水し、大規模半壊と判定された。水につかった机や椅子といった備品も使えなくなった。町内全戸が被災したため、数か月間、片付けに手を付けられなかった。

 この状況を、高校生をはじめとするボランティアが救った。泥のかき出しなどを進め、秋には片付けにめどがついた。「住民が大変な時に心強かった」。村口さんは感謝を口にする。公民館は今後、リフォームによる再建を進める。

 被災後初めて開いた昨秋の町内三役会議。「被災した住民が家や仮設住宅に籠もってしまい、無気力になることが懸念される」として、交流の場を再開する必要性で一致した。

 そこに、村口さんの高校の先輩が代表を務める建築士らで作るボランティア団体「アーキレスキュー人吉球磨」から、公民館をプレハブ仮設で開設する案が示された。団体では、被災家屋の洗浄や解体方法を教えている。ここと親交のある災害支援団体「風組関東」(東京)、認定NPO法人「アドラ・ジャパン」(同)の協力を得て1月に仮設公民館が開設された。

 西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町でも仮設公民館設置に携わった「風組関東」の小林直樹代表は「被災者の孤立防止には、誰かと話せる場所が必要だ」と強調する。

 上薩摩瀬町の仮設公民館は午前9時~午後5時、スタッフが常駐し、気軽に立ち寄れるカフェとして開放している。また、感染症対策を徹底したうえで、竹細工教室といったイベントも開催している。

 仮設公民館の運営に携わる認定NPO法人「アドラ・ジャパン」の小出一博さんは「新型コロナウイルスを心配する被災者もいるとは思うが、再建までの居場所としてぜひ活用してほしい」と呼びかけている。

 ◆市が再建費用を補助

 人吉市によると、昨夏の豪雨で、市内91町内会のうち、約3割にあたる27町内会の公民館が被災した。

 市は、被災後に途切れがちな地域のコミュニティー維持に公民館の早期復旧が不可欠と判断。費用の最大4分の3を補助する制度を設けている。

 市地域コミュニティ課によると、昨年度は6棟が補助を活用して修復されたが、依然として再建のめどが立たない公民館も少なくないという。同課は「補助制度で、早期の再建を後押ししたい」としている。

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2023412 0 ニュース 2021/05/01 05:00:00 2021/05/01 05:00:00 2021/05/01 05:00:00 ボランティアの手で清掃が進む上薩摩瀬町公民館 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210430-OYTNI50008-T.jpg?type=thumbnail

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