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犠牲姉妹の追悼地蔵 豪雨

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球磨川沿いの祭壇そばに置かれた地蔵
球磨川沿いの祭壇そばに置かれた地蔵

 昨年7月の豪雨で被災した球磨村の「川口商店」の跡地に、犠牲となった店主の川口豊美さん(当時73歳)と姉の牛嶋満子さん(同78歳)を追悼する地蔵が設置された。仲の良かった姉妹が寄り添うように並ぶ形の地蔵で、4日に除幕式が行われた。関係者は、豪雨の記憶を伝え、被災したJR肥薩線沿線の復興を見守ってほしいと願っている。

 川口さんの自宅も兼ねていた店は、全国からアユ釣りに訪れる客に食事や宿泊場所を提供し、長年、愛されてきた。しかし、川口さんは、昨年の豪雨で同居する牛嶋さんとともに店ごと流され、亡くなった。

 店は球泉洞駅前にあり、川口さんは2007年に亡くなった夫の次義さんの名誉駅長の任を引き継ぎ、牛嶋さんと一緒に、無人駅の同駅に季節ごとの花を飾るなど手入れを続けていた。

 地蔵の設置は、2人をよく知る人吉市周辺の統括名誉駅長を務める高木正孝さん(91)が発案した。市内の石材店で姉妹で寄り添う姿の地蔵(高さ約43センチ、幅約57センチ)を見つけ、裏に2人の名前と「令和2年7月4日」と刻んでもらった。

 豪雨1年となった4日の除幕式には、沿線の名誉駅長やJR関係者、親族や住民ら約60人が出席。式の後には、川口さんをしのび、焼いたアユが参加者に振る舞われた。姉妹の思い出話で盛り上がり、久々に川口商店のにぎわいが戻った。川口さんの長女・平野みきさん(50)は「よか供養になるよ」と話し、自然と笑顔がこぼれていた。

 球泉洞駅の次の名誉駅長は、平野さんが引き受けるという。高木さんは「親子で駅を見守ってもらえる。地蔵には水害のことを思い出してもらい、皆で肥薩線を守っていこうという思いを込めた」と話す。肥薩線復旧の際はホームへの設置も思い描いている。

 球磨村で亡くなった宮崎 ひらき さん(当時70歳)が名誉駅長を務めていた白石駅(芦北町)にも、記念碑が設けられた。

(内村大作)

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2184542 0 ニュース 2021/07/07 05:00:00 2021/07/06 21:15:12 2021/07/06 21:15:12 球磨川沿いの祭壇そばに置かれた地蔵(下) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210706-OYTNI50017-T.jpg?type=thumbnail

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