地震被災の南阿蘇に世界の人材を 来年専門学校開校

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「学生に入って良かったと思ってもらえる学校にしたい」と語る鈴木さん
「学生に入って良かったと思ってもらえる学校にしたい」と語る鈴木さん

 熊本地震で甚大な被害を受けた南阿蘇村に来年4月、専門学校「イデアITカレッジ阿蘇」が開校する。熊本地震では、村内にあった東海大阿蘇キャンパスが大きく被災し、多くの学生が村を離れた経緯があり、イデア開校への住民の期待は大きい。副校長として準備に奔走する鈴木 俊良しゅんすけ さん(31)は、「阿蘇の地で学び、世界に活躍する人材を育む場を作りたい」と意気込んでいる。

 横浜市出身の鈴木さんは、旅行会社員として勤務していたミャンマーで「現地の人が可能性を広げる手伝いがしたい」と、2017年に独立して起業。現地スタッフを雇い、湖にほど近い観光地でカフェ経営を始めた。地産地消をテーマに地元のコーヒーなどを提供し、各国から訪れる旅行者に好評だったという。

 2号店の出店を計画していた昨年、新型コロナウイルス感染が拡大し、店を休業し一時帰国。今年2月にはミャンマー国軍によるクーデターが発生し、現地での事業再開を断念した。

 国内での活動を模索する中、熊本に新設される専門学校のことを知った。留学生を受け入れる新しい学校で、国際や地方創生といった学校のキーワードに共感し、公募に応じて副校長に採用された。

 今年5月に移住。阿蘇大橋の崩落現場など、地震の爪痕に言葉を失ったが、同時に美しい山々や草原の自然に魅了された。県内外の高校や日本語学校へのPRや校内の備品の発注、オープンキャンパスの準備などに奔走。入試も随時行っており、新入生の数は徐々に増えてきている。

 「いつか起業したい」「エンジニアになりたい」。20歳代の頃の自分と同じように、夢を語る入学希望者の声を聞くたびに、学校の可能性を感じている。

 熊本地震では、学校にほど近い黒川地区にあった東海大阿蘇キャンパスが被災し、移転。地区で暮らしていた学生約800人が村を離れた。イデアの新入生の一部は、東海大生が暮らしていた地区のアパートで生活する予定で、地域住民の期待は大きい。

 専門学校では、企業と連携して人材育成を行う「注文式教育」を導入する計画。老舗旅館や農家など、阿蘇をフィールドに学ぶ学校にする予定だ。

 鈴木さんは「学校として、人と出会い、視野を広げられる機会を作っていきたい。一つ一つの積み重ねが、結果的に地震からの復興につながっていくと思う」と話している。

◆イデアITカレッジ阿蘇 ITビジネスと国際ビジネスの2学科で、定員は最大160人。校舎は、村の旧長陽保健センターを活用する。「学校法人イデア熊本アジア学園」が運営。村出身で、福岡市の地域おこしコンサルティング会社「イデアパートナーズ」の井手修身代表取締役が法人の理事長、学校の校長を務める。

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