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バリスタの世界大会への出場を決めた山本さん(長岡京市で)
バリスタの世界大会への出場を決めた山本さん(長岡京市で)

 ◇バリスタ 山本知子さん46

 9月に東京で開かれたバリスタの競技会「ジャパンバリスタチャンピオンシップ」で優勝、米ボストンで開かれる世界大会への出場権を獲得した。

 いれたコーヒーのおいしさだけでなく、その魅力を伝える技術も高く評価された。10度目の出場で初めての栄冠に、「コーヒーが苦手な人にも素晴らしさを伝える、これからのバリスタに求められる役割を示したことを評価してもらったかな」と喜ぶ。

 長岡京市で夫・ひさしさん(47)がカフェを開業したのをきっかけにコーヒーの勉強を始めた。

 元は京都市の花店で接客をしていたが、結婚を機に、長岡京市に転居。同じくコーヒーとは無関係の会社員だった尚さんが、東京で当時は珍しかった「スペシャルティコーヒー」に出会って感銘を受け、自宅1階に豆の販売も手がけるカフェを開業した。

 スペシャルティコーヒーは、豆の栽培段階から品質管理を徹底し、生産地の特徴がよく出たコーヒーとされる。2006年に開店し、豆を買い求める客にエスプレッソを提供するうち、「仕入れた豆のおいしさを無駄にしたくない」と、08年から競技会に参加して技を磨くようになった。

 競技会では、15分間でエスプレッソ、カプチーノ、エスプレッソをベースにした創作ドリンクの3種を、ポイントなどを説明しながら用意する。

 これまでは、現地を訪れた経験などから「豆を栽培する生産者の努力を知ってもらいたい」との思いで臨んでいたが、今回は、「客でなかった人が飲んでみたくなる一杯」を訴えた。

 愛好家からの評判は高いが、「ミルクなしだと飲めない」とエスプレッソを避ける来店客がいることにひっかかっていた。

 中米コスタリカの農園で買い付けた希少な豆を使ったが、コーヒー通が喜ぶ専門的な話は省き、酸っぱさを出さないための焙煎ばいせんや、雑味を残さない抽出の工夫を分かりやすく説明。創作ドリンクでは、「フルーツなどの完成したおいしさに頼らず、コーヒーそのものの味を好きになってほしい」と、優しい味の発酵食品と蜂蜜だけを使用した。

 解説者を「お客様に近い」「分かりやすい」とうならせた。日本一をつかんだ。

 「大好きな農園について話したいことは山ほどあるが、まずコーヒーの魅力を伝え、また来てもらえれば、その時に話せるはず」。コーヒーに詳しくない友人が観戦し「今までもすごさは伝わったけど、やっと今年、私でもおいしいっていうことを理解できた」と話してくれたのが、何よりの成功の証しだった。

 世界大会は来年4月。「年や時期が変われば同じ豆はないので、豆の選定からのスタート。英語も練習しないと」。「未来のお客様との出会い」になる一杯を模索し、腕を磨いている。(中田智香子)

 ◆やまもと・ともこ 城陽市出身。2006年、長岡京市で夫・尚さんとコーヒー豆を農園から直接仕入れて販売する「ウニール」を創業した。現在はヘッドバリスタ兼全店統括マネジャーとして、本店、長岡天神、京都マルイの府内3店舗のほか、阪急うめだ本店(大阪市)、東京・赤坂にある2店舗を統括している。

55654 0 きょう・人・十色 2018/12/24 05:00:00 2018/12/24 05:00:00 バリスタ世界大会への出場が決まった山本さん(長岡京市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181223-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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