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嵯峨嵐山観光PR兼務

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旅館の若女将と「嵯峨嵐山のPR担当」としての二足のわらじを履く松本さん(兵庫県豊岡市で)
旅館の若女将と「嵯峨嵐山のPR担当」としての二足のわらじを履く松本さん(兵庫県豊岡市で)

城崎温泉旅館「富士見屋」若女将 松本美子さん 42

 <人間よりサルの方が多いとか、久しぶり。>

 2月、国内でも感染が広がりつつあった新型コロナウイルスの影響で訪日客が消え、閑散とする嵯峨嵐山の状況を逆手に取った自虐的なキャッチコピーがSNSで話題となった。生み出したのは、城崎温泉(兵庫県豊岡市)にある旅館の若女将おかみ・松本美子さん(42)。約10年間、生活や仕事の拠点だった嵯峨嵐山を「テレワーク」で盛り上げる。

 嵯峨嵐山(右京区、西京区)の5商店街でつくる「嵯峨嵐山おもてなしビジョン推進協議会」が2月中旬に発表した観光ポスター「スイてます嵐山」で取り入れたキャッチコピー。嵯峨嵐山に観光客を呼び込もうと企画した。

 依頼を受けた松本さんは当初、自粛ムードが広がる中での観光PRに戸惑いも感じたが、商店主らが「このままだと店を閉めなくてはいけない」「手をこまねいていても、傷口が広がるだけ」と訴えるのを聞き、「嵯峨嵐山を思い出してもらえるように攻めのフレーズで行こう」と決心した。

 「嵐山モンキーパークいわたやま」のサルと観光客を対比させたポスターや、保津川下りの写真に<今なら待ち時間なしで下り放題。>、あふれる人で交通整理が必要だった渡月橋には<すいすい渡れてなんか、、、すいません。。。>など4種類。いずれも昨年末まで「観光公害」と呼ばれるほど訪日客が殺到していた状況を巧みに利用した表現だ。

 SNSでは「思わず笑ってしまった」「今のうちに静かな嵐山を味わいに行こうかな」など好意的な意見が目立ち、観光客も一時的に回復。一方で「感染拡大防止を優先すべき時に不謹慎だ」との声もあがった。

 「嵯峨嵐山で観光に携わる人たちの切実な思いを届けたかった。批判は真摯しんしに受け止めている」と話す。

 広告宣伝の腕を磨いたのは、立命館大(北区)卒業後に入社した「リクルート」(東京都)。5年間、旅行情報誌「じゃらん」の編集や執筆を務め、フリーライターなどを経た2009年3月、嵐山の編集プロダクションに勤務した。

 商店の情報を網羅した冊子を製作したのが縁で嵯峨嵐山との関係を深めた。昨年4月に結婚し、城崎温泉の旅館「富士見屋」の若女将になった後も、合間を縫って嵐山の商店主らと交流し、広告業務を請け負ってきた。

 これまでに、嵐山商店街の公認キャラ「月橋渡つきはしわたる」のプロデュースに携わったほか、今年10月には紅葉シーズンに合わせて感染防止策を啓発するポスター「あらしやマナー」も製作した。

 嵐山商店街副会長の石川恵介さん(51)は「こちらの思いをとことん理解して、心に残るフレーズを考えてくれる。唯一無二の存在で頼りにしている」と話す。

 一方、コロナ禍は、松本さんの旅館経営も直撃。宿泊客は激減し、4月から2か月間休業した。それでも、「漫然と習慣化してきた旅館運営を見直す機会になった」と前向きに捉える。

 「嵯峨嵐山のPRも、旅館の若女将も、迎えるお客様や地域の思いをくみ取ることが、おもてなしにつながる。もろ手を挙げて『嵐山へどうぞ!』と迎えられる日に向けて、次のキャッチコピーを用意しておきたい」(松田智之)

 ◆まつもと・よしこ 1978年、徳島県で代々続く神職の家系に生まれた。成人式に「振り袖よりもミシンが欲しい」と頼んだほどの縫製好きで、「人と情報を結びつける」という思いを込め、広告業の屋号を「nui_me(縫い目)」にしている。

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1732591 0 きょう・人・十色 2020/12/27 05:00:00 2020/12/27 05:00:00 旅館の若女将と「嵐山広報官」としての二足のわらじを履く松本さん(兵庫県豊岡市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201226-OYTAI50005-T.jpg?type=thumbnail

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