<6>再発・転移防ぐ可能性

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 ◇がん放射線治療の現状 原田浩さん45

 放射線によるがん治療は、外科手術や抗がん剤などの化学療法に比べて体の負担が少ないと言えます。しかし、日本のがん患者のうち放射線治療を受ける人の割合は3割未満。米国やドイツでは6割を超え、大きな開きがあります。

 日本では、広島や長崎に投下された原子爆弾や福島第一原子力発電所の事故の記憶から、放射線に対する抵抗感が強いと考えられますが、医療の現場では、放射線が大きな力になっていることを知ってもらいたいのです。

 かつての放射線治療装置は精度が十分でなかったため、がん細胞に正確に照射することができず、ほかの細胞にもダメージを与えてしまうという課題がありました。しかし、1990年代から、医療機器の技術は目覚ましい進化を遂げています。例えば脳腫瘍を治療するガンマナイフという装置は、様々な角度から放射線を照射することができるため、がん細胞を狙い撃つことができ、脳への負担を抑えることが可能です。

 ただ、がん細胞の中には強い抵抗性を持ち、放射線や薬剤で治療しても再発や転移を引き起こすものがあります。こうしたがん細胞にどう対応すればいいのか。私たちは1ミリ以下という微小環境でのがん細胞の変化をつぶさに調べました。その結果、腫瘍の中の毛細血管から一定の距離を置いた「低酸素」状態にあると、酸素や栄養素を求めて転移を引き起こしやすいことが明らかになりました。

 つまり、特定の位置にあるがん細胞を集中的にたたけば、再発や転移のリスクをより効果的に抑えることができるということです。講演では、こうした研究成果も紹介し、がん研究の最前線をお伝えしたいと思います。

 

 ◇愛知県出身。名古屋大理学部卒。博士(理学、名古屋大)。ポーラ化成工業医薬品研究所を経て、2013年、京都大病院の特定准教授に就任。16年から京大放射線生物研究センター教授。

 

 ※シンポジウムの参加申し込みは定員に達したため、受け付けを終了しました。

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8215 0 京大起春風 附置研シンポ 2018/02/20 05:00:00 2018/02/20 05:00:00

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