<@ストックホルム>患者の言葉を力に

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 ストックホルムで取材した10日間。最も心に残ったのは、ノーベル生理学・医学賞を受けた本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)が7日、カロリンスカ研究所で行った受賞記念講演だ。

 「21世紀中には、免疫によってがんを克服できる可能性がある」

 私自身も14歳の頃、血液がんの一種、白血病で入院したことがある。同室になったがん患者は高齢者がほとんどで、祖父や祖母のような人たちと世間話をするのが楽しみの一つだった。患者たちは再発を繰り返し、治療法が限られる中、生きる道を懸命に探していた。

 がんはそう簡単に克服できる病気ではない。本庶さんは百も承知だろうが、世界中の注目が集まる場所で「大風呂敷」ともとられかねない発言をしたのは、なぜなのか。

 講演の2日後、本庶さんは現地の皮膚がんの患者たちと面会した。患者から感謝の言葉を受けた本庶さんは、テレビ局の取材で感想を問われ、「Very strong moment!」と熱っぽく答えた。「心に残る出会いだった」とでも訳そうか。患者の言葉を力にしてきた研究者なんだと、改めて感じた。

 そう考えると、本庶さんの言葉の意味が理解できたような気がした。「困難な道だからこそ、挑戦してみませんか」――。76歳の、若手研究者たちに対する呼びかけのように思えた。(山本美菜子)

無断転載禁止
53769 0 @kyoto 2018/12/13 05:00:00 2018/12/13 05:00:00

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ