<2>創薬の屋台骨を支える

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「iPS細胞」 浅香勲さん 59

 遺伝子に原因がある病気の患者から様々な細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作れば、その病気の特徴を細胞レベルで再現できます。専門用語で「疾患特異的iPS細胞」と呼び、こうした細胞に様々な薬を試して治療効果があるものを探す研究が注目を集めています。

 研究所の前身のiPS細胞研究センターで、2009年から、200以上の病気でiPS細胞の作製に携わりました。現在は技術を普及させるため、iPS細胞の培養や保存に関するマニュアルなどの作製を手がけています。

 子どもの頃は、父親に買ってもらった顕微鏡でゾウリムシを観察するのが好きで、当時から生物や細胞に関心がありました。小児ぜんそくで何度も病院に通った体験から、大学では医療に関わりたいと、薬学部を選択。薬用植物の細胞培養などに取り組みました。

 山中伸弥所長との出会いはiPS細胞が誕生する少し前の04年。当時勤務していた企業で、ES細胞(胚性幹細胞)という、iPS細胞とそっくりな性質を持つ細胞の凍結保存法などが開発され、その技術を山中先生が学びに来られたのがきっかけでした。

 07年に山中先生が人のiPS細胞を開発した時は、驚くと同時に、これは創薬に使える技術だと直感しました。翌年、iPS細胞研究センターが設立されたのを機に、「ES細胞の培養経験を生かしたい」と現在の道に進みました。

 現在、iPS細胞によって、様々な難病で新薬の候補となる化合物が見つかりつつあります。今後はこうした研究を普及させるため、良質の細胞を確実に培養できる手順を整え、その技術を持つ人材を育てていきたい。「iPS創薬」の屋台骨を支えることが使命だと感じています。

 

 ◆あさか・いさお 東京都出身。北里大薬学研究科修士課程修了。岩城硝子(現・AGCテクノグラス)に入社後、北里大研究員などを兼任し、1994年に同大学で博士号を取得。京都大iPS細胞研究所准教授などを経て、2015年から同研究所教授。

438722 1 京大曼荼羅 附置研シンポ 2019/02/11 05:00:00 2019/02/11 05:00:00 2019/02/11 05:00:00 浅香勲・iPS細胞研究所教授(京都市左京区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190210-OYTAI50017-T.jpg?type=thumbnail

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