<見えない存在>陰陽師 式神操る説話
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安倍晴明
疫病や天災の原因が怨霊など、見えない存在の仕業と考えられていた平安時代。天文学に通じ、日時や方角の吉凶を占った
晴明は40歳を過ぎて陰陽師となった。当時の最高権力者・藤原道長の右腕として、「式神」という霊的な存在を自在に操ったほか、都で相次いだ貴族の姫たちの失踪を大江山の鬼「
死去から2年後の1007年に邸宅跡に晴明神社(上京区)が創建された。山口琢也宮司(60)は「死後すぐにまつられたのは、陰陽師としての力が悪い方向に向かうのを恐れる御霊信仰が影響した」と推測する。
荒俣宏さんの「帝都物語」や夢枕獏さんの「陰陽師」など、小説や映画で取り上げられ、神社は晴明の「聖地」となり、国内外から多くのファンが参拝する。フィギュアスケート男子の羽生結弦選手が2018年の平昌五輪で演じた「SEIMEI」ゆかりの地としてもにぎわうなど、数年ごとにブームが訪れる。
コロナ禍で数は減ったものの京阪神を中心に、早期終息を願う多くの参拝者が訪れている。山口宮司は「見えない存在に人が畏怖するのは変わらない。選択肢が多く、先の見えない時代だからこそ、どうすべきかを示してくれる晴明公のような存在を求められているのでしょう」と話す。