<見えない存在>疫病封じ 愛嬌ある姿
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アマビエ
疫病封じの妖怪「アマビエ」は1846年、肥後国(熊本県)の海に現れた。「6年間は豊作になるが、病がはやる。私を写し、人々に見せよ」と告げたという。唯一の史料は京都大付属図書館が所蔵する瓦版のみで、大学の貴重資料デジタルアーカイブで公開されている。
新型コロナウイルスの感染拡大で、厚生労働省の啓発キャラクターにも起用された。突き出た口、ウロコのある胴体、三つの尾びれの妖怪はどこか
京友禅の若手職人が設立したブランド「SOO(ソマル)」は昨年12月、アマビエ柄に染めたスマートフォン用拭き「おふき」を2500枚発売した。包装紙は定形郵便のサイズに仕立て、切手を貼れば郵送できるように。「おふき」シリーズはこれまでに約150種類販売してきたが、売れ行きは最速だった。好評だったことから、追加販売する。
売上金の一部を京都市のコロナ対策支援基金に寄付したSOOの日根野孝司代表(44)は「和装など伝統産業の産地もコロナ禍で厳しいが、自分たちにもできることを考えた。早く終息し、再び京都に多くの観光客が戻ってくることを願っている」と語る。(おわり)