<宇治茶>海外市場で商機狙う

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宇治茶や抹茶スイーツなどを前に茶文化の魅力を語るファーバーさん(大阪府大東市の自宅で)
宇治茶や抹茶スイーツなどを前に茶文化の魅力を語るファーバーさん(大阪府大東市の自宅で)
「茶ムライ」のはかま姿で海外の人々との出会いについて語る中坊さん(京田辺市で)
「茶ムライ」のはかま姿で海外の人々との出会いについて語る中坊さん(京田辺市で)

 緑茶の輸出が伸びている。健康に良いスーパーフードとして、米国を中心に認知され始めていることも要因の一つだ。多くの茶舗が海外市場に目を向け始める中、京田辺市の茶舗「 舞妓まいこ の茶本舗」は一足早くインターネット通販に力を入れてきた。取引先は60か国にも及ぶ。

 通販を支える一人が、1986年に来日したドイツ人のラルフ・ファーバーさん(63)。ファーバーさんは、同社の国際営業アドバイザーとしてホームページを英語などに翻訳。仕事を通じ、茶文化に深く魅せられるようになったという。

 玉露は1煎目、2煎目と味や香りが異なり、うまみや深みが口の中に残る。煎茶はさっぱりと清められる風味。「ワインと同じで、深いものからフラットなものまである。飲む場面や食事によって銘柄を変えていく奥深さがあります」と力説する。得意先が来日すると、茶畑などを案内しながら魅力を伝えるのが何よりの楽しみだ。

 同社が海外向けのネット通販を始めたのは2005年。中元や歳暮の取引が減り、国内で茶を贈答する文化が希薄になるのを肌で感じていた社員の中坊敏也さん(47)が、ノウハウもないままファーバーさんと組んでPRを開始。自身もはかま姿の「 ちゃ ムライ」と称し、国内外で外国人を対象に日本茶セミナーを開催すると、大受けした。

 外国人が好むのは安価なティーバッグではなく、100グラム1500円前後の高級茶葉。「本物の日本の文化を欲しがっている」と中坊さん。抹茶カフェなど業者からも大量の買い注文が来るようになり、海外の売り上げは全体の1~2割を占めるようになった。欧米では新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、売り上げは回復基調に入った。残留農薬の基準が各国で異なり、海外でコピー商品が出回るなど農家や茶舗が克服すべき課題は多いが、中坊さんは「国内で少子高齢化が進む中、世界にモノを売っていかないと企業も残れない」と決意を語る。

(この連載は坂木二郎、今村正彦、二谷小百合が担当しました)

緑茶の輸出  財務省の貿易統計によると、緑茶の輸出額は近年急速に伸びており、昨年は過去最高の162億円だった。輸出先として欧米での増加が目立ち、日本茶輸出促進協議会(東京)は「緑茶が健康飲料であることの認識が広がっていると考えられるだけに、日本茶の普及拡大の好機と捉え、ブランドの確立に励まなければならない」と意気込む。

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2153627 0 New門@京都 2021/06/25 05:00:00 2021/06/25 05:00:00 2021/06/25 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210624-OYTAI50079-T.jpg?type=thumbnail

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