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自然に還る異空間…亀岡商工会館

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ツタに覆われた「亀岡商工会館」(亀岡市で)
ツタに覆われた「亀岡商工会館」(亀岡市で)
旅館として使われていた頃の大浴場が今でも残る(亀岡市で)
旅館として使われていた頃の大浴場が今でも残る(亀岡市で)
テナントがひとつひとつ消え、時間が止まったような建物内の廊下(亀岡市で)
テナントがひとつひとつ消え、時間が止まったような建物内の廊下(亀岡市で)
室内にも伸びてきたツタ(亀岡市で)
室内にも伸びてきたツタ(亀岡市で)

 まるでジブリの映画に出てきそうな緑のツタに覆われた建物が、JR亀岡駅(亀岡市)近くの保津川沿いにある。一見、モダンな建築物にも見えるが、緑のツタに支配されたその空間は、やはり時間の 狭間はざま に取り残されたように思える。

 建物は1958年、保津川下り乗船場を併設した旅館「保津川観光会館」として建設。大きなガラス窓が特徴の鉄筋4階建ての外観は、田園が広がる盆地にひときわ目立ち、珍しがられたという。73年から亀岡商工会議所が事務所として使用していたが、99年に移転。老朽化が進み、現在はテナントが1件残るのみだ。

 2010年夏、当時、京都学園大(現・京都先端科学大)で非常勤講師をしていた社会美学研究者の藤阪新吾さん(52)=神戸市在住=がこの地を訪れた。「ここは時間の裂け目のような空間。近代の流れとは別の時間に置かれていると感じた」と振り返る。

 藤阪さんは、同年から7年間にわたり、同大学の授業の一環としてフィールドワークを行った。学生たちは「美から社会を学び、社会から美を学ぶ」というテーマで、周辺の歴史や地理を学び、個々の美を表現する場とした。

 そんな“異空間”も、老朽化や耐震性の問題で来年2月末までに取り壊され、更地に戻される予定だ。「物理的には限界がきている。寂しいというよりは、すがすがしさを感じる」と藤阪さん。

 建物は今、多くの人たちの思い出を刻み、涼しげな緑に抱かれながら自然に かえ っていくようだ。過ぎゆく「最後の夏」とともに。(河村道浩)

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2303101 0 涼-Ryo- 2021/08/22 05:00:00 2021/08/22 05:00:00 2021/08/22 05:00:00 ツタに覆われた「亀岡商工会館」(京都府亀岡市で)=河村道浩撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210821-OYTAI50010-T.jpg?type=thumbnail

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