<外国人材@京都>介護業 貴重な戦力

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◇日本語と文化の理解重要

◇「特定技能」都市に集中懸念

入所者に声をかけるゴンザレスさん(左)とクルスさん(左京区で)
入所者に声をかけるゴンザレスさん(左)とクルスさん(左京区で)

 外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理・難民認定法(入管難民法)が成立して1か月余り。対象14業種のうち、最多の6万人を受け入れる予定の介護業は、高齢化に伴って人材不足が常態化しており、外国人は既に貴重な戦力となっている。(道念祐二、今村正彦、立花宏司)

 「きょうも元気そうですね」――。滑らかな日本語で車椅子の男性に声をかけているのは、介護老人福祉施設「花友いちはら」(左京区)で働くレジンロレイン・クルスさん(26)とバルサダル・ジャーシ・ゴンザレスさん(27)だ。

 2人は2016年7月、フィリピンから来日し、京都市内の福祉専門学校で学びながらアルバイトとして施設で働いている。今月下旬、介護福祉士の国家試験を受ける。

 2人とも母国での看護師資格を持ち、医療関係の知識はある。日本で介護福祉士を目指すのは、「日本で経験を積んで帰国してから介護施設を自分でつくりたい」(クルスさん)、「日本語教師になりたい」(ゴンザレスさん)という夢があるからだという。

 当初、文化の違いから「戸惑うことも多かったが、今は入所者のみなさんの気持ちが分かるようになった」とゴンザレスさんは話す。

 16年10月に来日したベトナム出身のグエン・ティ・ゴックさん(24)は舞鶴市の舞鶴YMCA国際福祉専門学校で学びながら、福祉施設でアルバイトとして働いている。

 故郷の高校を卒業後、看護師の資格を取得したが、現地では働き口は多くなく、日本を選んだ。介護福祉士の資格試験は来年1月に受ける予定で、「合格して福祉施設で利用者の日常生活をサポートしたい。できれば一生、日本にいたい」と話す。

 クルスさんら3人は介護福祉士の試験に合格すれば、新たな在留資格である「特定技能」ではなく、既存の在留資格(介護)で働くことができる。

 高度な知識や技術が不要な特定技能では介護福祉士の資格がなかったり、日本語能力が高くなかったりしても働くことが可能になる。月額賃金(非製造業の一般職)が日本の5分の1程度(三菱UFJ銀行調べ)のフィリピンやベトナムなどからみれば、日本人と同等の賃金をもらいながら、日本で技術や技能を身に付けられることは大きな魅力だ。

 クルスさんは「日本で働けば学ぶことは多い。帰国しても役立つので、私たちの後に続いてほしい」と言う。

 ただ、懸念も指摘される。ゴックさんは「福祉施設で働くには、日本語と日本の文化を理解することが大切。そうでなければ、利用者や施設に迷惑をかけてしまう」と話す。

 施設側も人手不足解消につながると期待するが、不安視する声もある。八幡市の社会福祉法人「秀孝会」は8月頃までにベトナム人4人を雇い入れ、その後も外国人を増やしていく考えだが、幹部は「行政は何年までに何万人受け入れると発表するだけでいいが、現場はそうはいかない。しっかり一人一人育てて、環境になじませなくてはいけない」と語った。

 「特定技能の場合、外国人材や受け入れる側の職場を支援する仕組みが弱い」(「花友いちはら」の外国人材受け入れ窓口法人幹部)との意見もある。技能実習制度では、国が許可した非営利法人である監理団体が、相手国の送り出し機関と連携して実習生に職場を紹介し、実習の状況を確認する役割を担っている。だが、特定技能では企業と働く人の間にそうした第三者機関はない。そのため、賃金が高い都市部に外国人材が集まり、地方の労働力不足解消にはつながらないのではないかとの懸念もある。

56947 0 ニュース 2019/01/19 05:00:00 2019/01/21 14:06:34 2019/01/21 14:06:34 入所者に声をかけるクルスさん(右)とゴンザレスさん(左京区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190118-OYTNI50064-T.jpg?type=thumbnail

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