<NEWS EYE>障害者アート発信支援

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

アーカイブの画面。様々な作家の作品画像を条件で絞り込んで一覧表示させることができる
アーカイブの画面。様々な作家の作品画像を条件で絞り込んで一覧表示させることができる
アーカイブ作業のため、刺しゅう作品を撮影する今村さん(上京区で)
アーカイブ作業のため、刺しゅう作品を撮影する今村さん(上京区で)

◇デジタル化やネット公開 府など

◇作家と社会 懸け橋に

 障害のある作家の芸術作品をデジタル化して記録・保存(アーカイブ)する取り組みが進んでいる。府などでつくる「きょうと障害者文化芸術推進機構」(上京区)が作品を画像データとして収集、公開するウェブサイトを開設した。作品の散逸や発信力不足といった課題に直面する障害者の作家活動をサポートし、社会進出を促す狙いがある。(秋山原)

 サイトは「アートと障害のアーカイブ・京都」(https://kyoto-aapd.jp/)で、昨年7月にオープンした。現在は、府内に住む障害者作家8人の絵画や刺しゅう約1200点の画像を掲載している。

 作家の略歴や出展・受賞歴、作品名、制作時期、寸法などの情報を日英2か国語で紹介。「人物」「風景」といった題材や、「水彩」「ペン」などの技法で作品を絞り込んだり、キーワードで検索したりできる。

 記録・保存作業は、同機構が運営するギャラリー「art space co―jin(アートスペースコージン)」(上京区)のスタッフが手がけている。

 その一人、今村遼佑さん(36)は、自身もインスタレーション(空間芸術)などの作家として活動しながら、掲載する作家の選定や作品の撮影、記載項目の取材などを担当する。「これまで障害者アートに触れる機会は展覧会などに限られていたが、ネットに公開することでより多くの人に知ってもらえる」と語る。

 事業の目的は主に、散逸しがちな作品の記録・保存と、障害者個人では困難な作家活動の支援だ。

 障害者による創作は、福祉施設での就労支援活動の合間の余暇やグループワークとして行われることが多い。作者に知的障害などがある場合、本人による作品の管理が難しいうえ、日々膨大な量が制作されるため、施設での保管にも限界がある。そのため、芸術性が高いものでも散逸や紛失する例が少なくないという。

 「アール・ブリュット(加工されないの芸術)」として障害者アートへの評価が高まり、作品の展覧会への出品や売買、商品デザインとしての二次利用が増加する中、作者を美術館や顧客に結びつけたり、意思疎通が難しい障害者に代わって交渉したりする狙いもある。

 福祉施設「新明塾」(東山区)に通う藤橋貴之さん(55)は、写真を参考に海外の風景を描いた色鉛筆画約50点をサイトに掲載している。

 これまでは、個展開催などの節目ごとにカメラマンに依頼して作品の記録を残してきたが、1回数十万円の費用がネックだった。最近、自立のための一歩として作品の販売を決意し、図録の製作も検討していたが、「(アーカイブの画像が)きれい。(図録は)いらないかも」と喜ぶ。

 現在掲載されているのはすべて平面作品だが、今後は陶芸や彫刻など立体作品にも広げていく方針だ。今村さんは、「アートを通じて、障害者と社会をつなぐ懸け橋となっていきたい」と話している。

 今月23~27日、城陽市の文化パルク城陽の市民プラザで、アーカイブに掲載されている作品を現物とデジタルの両方で鑑賞できる展示会が開かれる。午前10時~午後8時。入場無料。

57442 0 ニュース 2019/01/20 05:00:00 2019/01/21 14:11:08 2019/01/21 14:11:08 アーカイブの画面。様々な作家の作品画像を条件で絞り込んで一覧表示させることができる https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190119-OYTNI50018-T.jpg?type=thumbnail

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ