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<東日本大震災10年>高校生 アートでアーチ…京都・銅駝美術工芸と仙台・宮城野

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被災地で展覧会 交流今も

 アートを通じて東日本大震災の被災者支援を行ってきた京都市と仙台市で美術を学ぶ高校生同士が、震災から10年を迎える今も息の長い交流を続けている。(内田桃子)

 京都市立銅駝美術工芸高(中京区)の生徒会執行部の生徒が昨年10月、1年間の成果を発表する「美工作品展」を紹介する動画をつくり、宮城県立宮城野高(仙台市宮城野区)美術科の生徒に贈った。

 日本画や洋画、自身で染め手織りした着物などについて約14分間の動画にまとめ、最後に「コロナが落ち着いたらぜひ交流しましょう」と呼びかけた。

 銅駝高は、震災2か月後から教員が主導し、似顔絵を描いて集めた寄付金を被災地に送り始めた。2011年秋に京都で開かれた全国の美術系高校の連絡協議会で両校の交流が始まり、被災地に絵を贈る取り組みが生まれた。12年3月には、銅駝高が贈った約70点や宮城野高の卒業生による作品が、宮城県岩沼市にあった仮設住宅に並んだ。

 仮設住宅に暮らす住民は、自宅を津波で流され、家族を失った人もいた。「こんな時に展覧会を開いていいのか。芸術に意味はあるのか」。宮城野高の丹羽裕教諭や生徒らは当時こう感じながら展示に臨んでいた。

 だが、手放した飼い犬を思い、犬の絵を見つめていた女性は目を細めて絵を持ち帰り、別の被災者からは「絵を飾ると、部屋が一段と輝いた」との便りが届いた。丹羽教諭は「芸術は人に元気を与えられると気付いた」と振り返る。

 展覧会はその後も各地で開かれた。宮城野高の修学旅行は毎秋、銅駝高の作品展のために京都を訪れるように。13年からは毎年、銅駝高の生徒数人が宮城県名取市閖上地区を訪問し、子どもたちとランタンを作る体験会を開くなどの交流を続ける。19年夏に参加した銅駝高2年花房沙莉さん(17)は「震災前の町の写真と今の更地を見て、津波の脅威を感じた。災害はいつどこで起きるか分からない。備える大切さを学べたので、後輩にもこの交流を続けてほしい」と話す。

 今年度はコロナで現地訪問はかなわなかったが、「交流を途切れさせたくない」と、互いの展覧会を紹介する動画での交流が決まった。宮城野高でも作品展の動画を制作中だ。

 震災から10年を迎える中、宮城野高の丹羽教諭は「活動は転換期にある」という。当時の記憶が薄くなった生徒もおり、丹羽教諭は「芸術を通じた交流はもちろん、一緒に語り部の話を聴くなど、もっと震災を考える機会のあり方について考えていきたい」と話す。

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