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沖縄の電力業界が、大きな変革期を迎えている。世界的な脱炭素化への対応を迫られているためで、本土復帰以降の課題となっている火力発電への高い依存度からの転換と、再生可能エネルギーの導入拡大という未来への道のりを県全体でどう描くかが問われている。(橋谷信吾、川口尚樹)

ヤシ殻で発電 うるまにバイオマス発電所

沖縄本島中部に位置するうるま市の工業団地を進むと、高くそびえる発電設備が目に入る。再生エネ事業を手がけるイーレックス(東京)が九州電力子会社や沖縄ガスなどとともに2021年7月に運転を始めた「
同発電所で燃料として使われているのは、輸入したヤシ殻だ。発電の仕組みは火力発電と同様だが、燃料となる樹木が成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、再生エネ設備として国の認定を受けている。イーレックスの担当者は「脱炭素化に貢献できる設備だ」と話す。

バイオマス燃料となる木片の「ペレット」を建築廃材から製造する企業もある。うるま市の「バイオマス再資源化センター」で、地元のホテルや住宅の建設時に出る廃材を使い、完成したペレットは沖縄電力の火力発電所に供給している。同センターの前堂正志社長は「廃材として焼却しないことで、CO2の削減につながる脱炭素の燃料を生み出せる」と胸を張る。
