[挑む地銀]ITと提携新サービス…筑邦銀行

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人材や開発力補う

 福岡県南部を地盤とする筑邦銀行(福岡県久留米市)がIT企業と次々に提携して新たな金融サービスを打ち出している。自前主義にこだわらず、外部の力を借りる「アライアンス(提携)戦略」で人材や開発力の不足を補い、手数料を稼いで収益を上げる狙いだ。(川口尚樹)

即入金

 「資金繰りで銀行に出向いたり、頭を悩ませたりする時間を現場の仕事に充てられる」。熊本県荒尾市の設備工事業「総合設備ELF」の宗像千治社長(53)は、昨年9月に使い始めた「クラウドファクタリング」に満足している。筑邦銀が、金融とITを融合したフィンテック企業「オルタ」(東京)と始めた売掛債権を買い取って現金化するサービスだ。

 工事代金が入金されるのは通常、請求書を送って数か月後。ファクタリングはオンラインで手続きが完結し、人工知能(AI)などが審査して早ければ即日入金される。手数料は2~9%と融資の金利より高いが、代金回収までの資金繰りの心配がいらず企業のメリットは大きい。

 銀行にとっても融資の審査に人手をかけずに手数料が得られる。昨年3月のサービス開始から約400件の申し込みがあり、ソリューション・DXグループの堀田侑宏調査役は「AI活用など自行だけではできないサービス。企業は資金繰りの選択肢を増やせる」と話す。

地盤を超えて

 地方の人口減少と地域経済の衰退で新たな融資先の開拓は簡単ではない。筑邦銀の業績も最終利益が10億円前後と伸び悩んでいる。そこで打ち出したのがアライアンス戦略だ。自前では「人材、資金力、開発力に限界がある」(佐藤清一郎頭取)と外部の経営資源を活用し、先進的な金融サービスを手がけることで営業地盤を超えて顧客を開拓する狙いだ。

 「地銀連合構想」を掲げる大手ネット証券のSBIホールディングスとは2020年に資本・業務提携を結び、2%の出資を受け入れた。SBIの資産運用力を生かして昨年4月に募集を始めた企業型確定拠出年金(DC)は、加入数が約600社に上る見込みだ。小規模事業者でも加入できるのが売りで、1割は取引がなかった企業が占める。

 九州電力を加えた3社では昨年5月、プレミアム付き電子商品券を手がける新会社を設立。コロナ禍で傷んだ地域経済の活性化に向けて全国の自治体からの需要を見込む。フィンテック企業「エンペイ」(東京)とは昨年11月、学校や学習塾の集金業務の効率化を助けるため、無料通信アプリ「LINE」を通じて月謝などを集められるサービスを始めた。

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