メモ入力
-最大400文字まで
完了しました

スマートフォンのアプリを開くと、登山中に携帯電話の電波が届かないエリアに入っても、全地球測位システム(GPS)による地図で現在地を確認できる。ヤマップ(福岡市)が開発した登山者ら向けアプリのダウンロード数は300万件を突破し、類似するサービスの中でトップの座を固めている。

自らも登山好きの春山慶彦代表が「人と自然の関係が薄くなっている」と感じたことをきっかけに、2013年に起業してサービスを始めた。
地図情報の提供だけでなく、コミュニケーション機能に重点を置いたのが特徴で、登山者同士でルートや写真などの活動記録を共有できたり、利用者がアプリでポイントをためて植林活動の支援などに使ったりできる仕組みを整えた。
さらに、自治体などと連携し、登山届をアプリで提出できるようにしたほか、利用者が遭難した際には救助隊に登山ルートの記録を伝える試みも始めた。
アプリは無料で提供しているが、機能を充実させた有料版の会員数も増えている。登山者向けの保険やアウトドア用品の販売など事業の幅も広げており、21年6月期の売上高は約7億7000万円と、前期の2・6倍に拡大した。
春山さんは「登山の愛好者だけでなく、多くの人が自然に接する機会をつくっていきたい」と話している。
