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[道あり] 富久千代酒造社長 飯盛直喜さん <8>酒蔵から地域を元気に

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開業したレストラン兼宿泊施設の前で、蔵の将来を語る飯盛さん(左)と、後継ぎとなる長女・日奈子さん(5月30日、佐賀県鹿島市で)
開業したレストラン兼宿泊施設の前で、蔵の将来を語る飯盛さん(左)と、後継ぎとなる長女・日奈子さん(5月30日、佐賀県鹿島市で)

 「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」の最高賞を2011年に獲得したことで、日本酒「鍋島」は脚光を浴びた。これは、故郷を盛り上げる好機でもあった。「旬は1年。来年には次の酒が最高賞をとり、世間の関心は薄れる」。佐賀県鹿島市でのイベント開催に向けて動いた。青年会議所の活動で人脈があり、行政も積極的だった。

 受賞から2か月後の11月、同市で開かれた祝賀会で、市内全6蔵などとともに「鹿島酒蔵ツーリズム推進協議会」の設立を発表。初代会長となった。12年3月には、酒蔵ツーリズムを初開催。県内外の日本酒ファンが訪れ、“世界一の酒”のまちで各酒蔵を巡り、見学や試飲をした。2日間で市の人口とほぼ同じ約3万人を集める盛況ぶり。以降恒例の催しとなり、近年では隣の嬉野市の酒蔵も加わる。今では約10万人が訪れるイベントとなり、地域の食や文化も発信している。

 今年4月には、妻・理絵さん(56)と新たな挑戦も始めた。国の重要伝統的建造物群保存地区の一角にあった築約200年の旧しょうゆ醸造蔵を買い、レストラン兼宿泊施設を開いた。県産食材や酒器とともに鍋島を提供している。「酒蔵ならではのおもてなしで、日本酒文化を伝え、日本酒の価値を引き上げたい」と考えている。

 酒造りの道を歩み30年以上。まだまだ第一線で未来を見据える。蔵では20、30歳代の若い社員らと共に働く。今春、大学を卒業し、後継ぎとして働き始めた長女・日奈子さん(22)は「酒蔵から地域を元気づけたい」と初々しい笑顔を見せる。

 「鍋島は発展途上で、酒造りを続ける限り完成しない。世の中が少しずつ変わる中で、常に改善、挑戦です」。これからは親子で理想の酒を求め続ける。

(金堀雄樹が担当しました)

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2148308 0 道あり 2021/06/23 11:01:00 2021/06/23 11:01:00 開業したレストラン兼宿泊施設の前で、蔵の将来を語る飯盛さん(左)と、後継ぎとなる長女・日奈子さん(5月30日)=金堀雄樹撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210623-OYTAI50013-T.jpg?type=thumbnail

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