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[道あり]元女子バレーボール全日本代表 西川樹理さん(旧姓・横山)<5>楽しむバレーが一番

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 現役引退後は大阪を拠点に、バレーボール教室などで全国を飛び回った。しかし、結婚、妊娠を機に「高校から親元を離れていたし、子育ては北九州でしたかった」と、1990年にふるさとに帰った。

 一線を退いても、バレーは体の一部。出産1か月後には、帰郷後に結成したママさんバレーチームでプレーを再開し、大会に出たり指導したりと気楽に楽しんでいた。そんな時、飯塚高(福岡県飯塚市)から女子バレー部監督就任の話を受けた。

ソフトバレーボールの仲間たちとともに笑顔を見せる西川さん(左から2人目)
ソフトバレーボールの仲間たちとともに笑顔を見せる西川さん(左から2人目)

 病気療養する監督の代役とはいえ、選手を預かるのは未経験。高校の同級生だった藤本文江さん(64)や、夫の嘉彦さん(63)らに相談すると、「教えられることを教えればいい」と背中を押され、引き受けた。

 2007年、部員との初めてのミーティングで、最初にこう語りかけた。「私は絶対に手を上げない」。世界の頂点に立つまでの間、追い詰められ、逃げ出したくなることも日常茶飯事だった。かつては当たり前だった体罰を否定したのは、「そういう思いをさせたくない」と考えたからだ。

 もちろん、勝負へのこだわり、ボールに食らいつく姿勢には目を光らせた。教え子の内田早紀さん(28)は「練習は厳しかったけれど、真剣にバレーと向き合うことを教えられた。コートの外ではいつも笑顔で、金メダルを見せてもらったことが思い出深い」と懐かしむ。

 指導した約2年間は「どうしたら選手に伝わるか、うまくなるか」と毎日悩んだ。監督業の苦労を知り、過去の恩師への感謝の思いも膨らんだ。そして、確信した。「バレーボールは楽しむことが一番」

 現在、ソフトバレーボールを趣味にする高齢者のために年4回、60~80歳代を中心に約100人が参加する大会の開催をライフワークにしている。「みんなが楽しみにしてくれるからね。今が一番楽しい。今がこのまま長く続けばいいかな」。笑顔で歩むバレーボール人生は、まだまだ続く。(崎田良介が担当しました)

=2018年11月10日 読売新聞地域面(西部本社版)掲載=

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2224812 0 道あり 2021/07/21 16:24:00 2021/07/21 16:24:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210721-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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