[道あり]関家具創業者 関文彦さん<1>「幸せ届ける」原動力に

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 国内有数の家具産地、福岡県大川市を拠点に家具卸業を展開する「関家具」。創業者の関文彦さん(79)は、半世紀あまり前にたった1人で起業した小さな卸会社を、全国約3500店と取引する企業に育て上げた。原動力となっているのは、「家具産業は幸せ産業」という家具への愛情だ。

[道あり]関家具創業者 関文彦さん<8>「家具産地 大川」を世界へ

家具に対する情熱を語る関さん(3月22日、福岡県大川市で)=田中勝美撮影
家具に対する情熱を語る関さん(3月22日、福岡県大川市で)=田中勝美撮影

 有明海に面した筑後川の河口部に位置する大川市。中心部を貫く国道208号沿いに家具店が立ち並ぶ中、ひときわ強い存在感を放つのが関家具のショールームと工房だ。

 10階建てのビルをはじめ計8棟で約1万平方メートル(3000坪)の広さを誇る売り場に、ベッドや机、オフィス用家具など約3万点が展示されている。

 「赤ちゃんが生まれたらベビーベッド、入学したら学習机。結婚したらブライダル家具と、家具は人生の必需品。幸せを届ける仕事なんです」。ずらりと並ぶ製品に、我が子を見つめるようなまなざしを向ける。

様々な家具が並ぶ関家具のショールーム(同社提供)
様々な家具が並ぶ関家具のショールーム(同社提供)

 大川市は古くから海上交通の要衝として栄え、高度な木材加工技術を持つ船大工が集まって家具産業が勃興したとされる。木工所を営む両親の姿を見て、自然と家具業界に足を踏み入れた。親戚が経営する家具小売店でノウハウを学ぶなどして、25歳のとき、たった1台のトラックで起業。自ら運転して家具を仕入れ、その足で各地の店舗を回って販売する卸売業だった。

 高度経済成長で洋式家具の需要が高まり、取引先は福岡県内から四国、関西に拡大。1980年代には法人化し、自社製品を販売する店舗を設けて小売業にも参入した。会社の成長に伴って売り場を広げたほか、2010年に販売を始めた巨木の「一枚板」による家具は、会社の代名詞とも言える製品として知られるようになった。

 年商約200億円、従業員500人に上る有数の「家具の総合企業」となった現在まで、53年にわたって黒字経営を続けている。新型コロナウイルスの感染拡大で各地の店舗は臨時休業も余儀なくされた一方、テレワークや巣ごもりで、改めて家具に対する関心が高まっているとも実感する。

 視線の先にあるのは、会社のさらなる成長だ。将来的に売上高を現在の10倍の2000億円規模に伸ばす思いを抱く。「大川から世界で活躍する企業へ」。創業から半世紀を過ぎてもなお、家具に対する情熱は燃えたぎっている。

プロフィル
関文彦(せき・ふみひこ)さん
1942年4月、福岡県大川市生まれ。妻の眞沙子さんは会長を務める。好きな言葉は「家具は人を育てる」。趣味の歌舞伎では、一般市民が参加する同県久留米市の「久留米ちくご大歌舞伎」に毎年出演している。時間を見つけて辺境を巡り歩く楽しみも持つ。

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