博物館グッズ 遊び心満載

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 博物館や美術館を訪れたら、ミュージアムショップに立ち寄るのも楽しみの一つだ。収蔵品や展示にちなんだグッズが並び、鑑賞の感動をよみがえらせてくれる。マニアックなこだわりや遊び心にあふれたアイテムも増えている。(堀家路代)

「日本号」の前で実物大ポスターを並べる植田さん=秋月正樹撮影
「日本号」の前で実物大ポスターを並べる植田さん=秋月正樹撮影

実物大「槍ポスター」 自宅で堪能を

 福岡市博物館は旧福岡藩主黒田家ゆかりの刀剣を収蔵し、オリジナルの刀剣グッズに力を入れている。

 ユニークなのは、実物大の刀剣ポスター。3種類ある中でも、黒田家家臣の 母里もり 太兵衛が大杯を飲み干してもらい受けたと伝わる やり 「日本号」は全長3・2メートルを超え、ポスターも長さ3・46メートルと破格サイズだ。柄の 螺鈿らでん 細工や刃に施された龍の彫り物も鮮明で、主任学芸主事の堀本一繁さんは「実物は動かすと螺鈿がはがれるため館外に出せないが、ポスターなら自宅で堪能できます」とほほえむ。

 2016年に300部を発売した際は即完売し、17年にも600部が約3か月で売り切れた。昨年7月から1部4000円で再び販売し、17年に買い損ねてやっと入手したという大阪府の女性は「自宅には貼るスペースがないけれど、見たい時に広げて穂先や彫り物などをじっくり眺めています」と喜ぶ。

 同館ではほかに、国宝の「金印」を模した「金印スタンプ」(723円)なども人気。「コロナ禍で来館できない人に利用してほしい」と20年6月にオンラインショップを開設したところ好調で、今年1月発売の名刀「 圧切へしきり 長谷部」の多機能ペンは数分で初回入荷分がなくなった。グッズを企画・製作する福岡市文化芸術振興財団の植田万智子さんは「外出自粛中、自宅でじっくり楽しみたいという人のニーズに合致したのでは」と話す。

配置にこだわり 石垣模した琥珀糖

 「ミュージアムグッズ愛好家」として活動する大澤夏美さん(北海道)によると、ミュージアムグッズは近年、博物館や美術館の社会的役割や魅力を伝える手段として見直されている。話題のグッズはSNSで拡散し、来館者や収入の増加にもつながるため、学芸員らの専門性や熱意を反映したオリジナル商品が次々に登場。「コロナ禍で来館者が減る中、独自性をグッズ開発につなげる動きはさらに広がるのでは」と推測する。

 大分県中津市の中津城そばに19年に開館した市歴史博物館の「石垣 琥珀糖こはくとう 」(1000円)も、そんな熱意から生まれた商品の一つ。近世城郭としては九州最古の石垣を、砂糖菓子で模している。

中津城北側の石垣。境界線の右側と左側で築かれた時代が異なる
中津城北側の石垣。境界線の右側と左側で築かれた時代が異なる
石垣を表現した琥珀糖。境目の右側は大きめ、左側は小さめの菓子を配置した
石垣を表現した琥珀糖。境目の右側は大きめ、左側は小さめの菓子を配置した

 城北側の石垣には境目があり、右と左で造られた時代が異なる。右側は、城を築いた黒田官兵衛が、古代の山城にあった石を運び出して再利用しており、石は人工的に四角く加工されている。左側は黒田氏の後に城主となった細川氏の時代に造られ、自然石が積まれている。

 琥珀糖は、歴史を物語るこの石垣を、形や大きさの違う菓子を組み合わせて表現。高崎章子館長は、石垣の調査を担当していたことから菓子一粒一粒の並べ方にこだわり、担当のデザイナーに「目地を一直線にしないで」「右側の菓子は大きめ、左側は小さめ」などと注文を重ねた。紙箱の発注などにも時間がかかり、開館と同時発売の予定だったが、約2か月遅れたという。

 高崎さんは「菓子を見て石垣に関心を持つ人が増えればうれしい」と期待する。

楽しいオリジナルグッズ 各地に

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