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福岡5区保守分裂含み、衆院選…自民、現職と県議争う

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 衆院選が近づく中、福岡5区は保守分裂選挙となる可能性が高まっている。9選を目指す自民党現職の原田義昭・前環境相(76)に対し、党本部の仲裁で次々回の後継と指名された元福岡県議会議長の栗原渉・同党県議(55)が無所属でも出馬する構えを崩していないためだ。両者の間を突いて議席獲得を目指す野党は、候補一本化を模索している。

「どんな状況があっても、出馬して勝ち抜きたい」

 「今までと状況が違うのは事実だが、必ず自民党公認という形で決着します」

 17日、原田氏は福岡県春日市の事務所開きで、25年に及ぶ国政経験を強調し、約30人の支持者を前に力強く言い切った。さらに、離反の動きを見せる区内の地方議員らをけん制することも忘れなかった。「変節という言葉は、日本人の文化で一番嫌われている」

 昨秋、世代交代を求める声に押された栗原氏が出馬の意向を固めると、区内の地方議員らの多くが、直前まで県議会議長を務めていた栗原氏についた。事態を重く見た党本部は昨年12月、「次期衆院選は原田氏を公認し、次々回は栗原氏を後継とする」との仲裁案を提示した。

 「現職優先」の原則を曲げれば、山口3区など火種を抱える選挙区に飛び火しかねない。仲裁案は、山口泰明・選挙対策委員長が、原田氏所属の麻生派を率いる麻生副総理兼財務相とも調整した落としどころのはずだった。原田氏も応じ、「次の次は栗原さんを推薦したい」と表明。政治家が選挙前に引き際を明らかにする異例の譲歩を見せた。

 それでも、状況は好転せず、栗原氏は対決姿勢を一段と強めている。

 同じ17日、栗原氏は同県朝倉市で行った事務所開きで、「どんな状況があっても、出馬して勝ち抜きたい」とボルテージを上げた。会場には、自民党県議や地元の首長、議長ら約300人がずらりと並んだ。

 栗原氏を走らせたのは、他ならぬ党県連だ。県連の中枢を占める県議団は、衆参両院に複数の議員を輩出し、固い結束を党本部への発言力の源泉としてきた。今回も県議団は栗原氏支援の動きを鮮明にし、独自に推薦を決めるなど支持拡大に奔走し、一時は県連として党員投票も模索した。

 その効果もあり、党本部から栗原氏を後継指名する仲裁案を引き出したが、県農政連など約300の企業・団体から推薦を取り付けた栗原氏は「これだけ支援を受けて引いたら政治家として終わりだ」として、「引けなくなっている」(県連重鎮)。ある県議は「原田氏に公認が出れば表立っては支援できないが、裏で動くつもりだ」と明かす。

野党、候補一本化探る

 分裂含みの自民党を横目に、立憲民主党は4月、堤かなめ県議(60)の擁立を決めた。大学教授などを経て参院福岡選挙区の出馬経験もある堤氏に、枝野代表も「大本命が決断した」と期待感を示す。18日には同県筑紫野市で行われた堤氏の集会に駆けつけ、「即戦力として働けるリーダーとして、一日も早く国会に上がっていただきたい」と持ち上げた。

 福岡5区は前回、与野党の票が伯仲しており、枝野氏は、同区に出馬を予定する共産党の古賀新悟氏(56)との一本化を模索している。立憲民主党県連幹部は「敵の内紛で勝てる選挙区になった。まずは共闘を実現させたい」と意気込む。

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