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18日に開幕する「 世界体操・新体操選手権北九州大会 」が、観客数を制限しない「フル観客」で行われることになり、北九州市などは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ大会を成功に導くため、手探りを続けている。コロナ対策費を当初計画の2・5倍に増やし、感染者が出た場合を想定して宿泊療養施設とするホテルも確保した。対策の具体策をまとめたガイドライン(指針)のとりまとめを急いでいる。(池田圭太、牟田口洸介)
実証調査

元男子世界王者の内村航平選手、東京五輪の金メダリスト橋本大輝選手、女子の村上茉愛選手――。世界体操には多くの注目選手が登場する予定となっている。感染対策と経済活動の両立を目指す政府の行動制限緩和の実証調査対象となったことを受け、1日、フル観客の方針が決まった。一般客と招待客を合わせて各2500人ほどを収容予定の両大会の会場に、座席間隔は設けない。
「より安全安心な大会にし、より多くの人に見ていただきたいという目的もあった」。実証調査への参加に手を挙げた理由を、北九州市世界体操・新体操選手権推進室の三浦隆宏室長はこう説明する。体操と新体操の世界選手権が同時期に同じ地域で開催されるのは初めてで、国内での開催も体操が10年ぶり、新体操は12年ぶりとなる。
同市小倉北区の「ビジネスホテルYANAGI」では18日以降の予約が少しずつ入り始めた。宿泊客はコロナ前の3割ほどに落ち込んでいるといい、広石浩二郎社長(51)は「有観客になるか注目していたので宿泊客が増えるのはありがたい。経済の回復にもつながってくれれば」と期待した。
療養施設を確保
市や福岡県などでつくる大会組織委員会は、密集を防ぐために警備員を増強したり、PCR検査を拡充したりすることを決定。この結果、大会予算のうちコロナ対策にかかる費用は、当初計画の2・5倍にあたる約5億1300万円が見込まれている。
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