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カネミ油症、認定患者の子や孫を初調査 国が実態把握へ…発覚53年、 「ようやく」「基準見直しつながれば」

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 西日本を中心に深刻な健康被害が出たカネミ油症の認定患者の子らを対象にした調査が始まり、様々な症状に苦しんできた当事者は救済へつながる動きを期待している。ただ、親が差別や偏見を恐れて子に被害を打ち明けていないケースも多く、調査協力者がどれだけ集まるかは見通せない。(中尾健、手嶋由梨)

全身の倦怠感、頭痛 救済へ期待

患者の子らの調査を通じた救済に期待する下田順子さん(右)、恵さん親子(9月12日、長崎県諫早市で)=秋月正樹撮影
患者の子らの調査を通じた救済に期待する下田順子さん(右)、恵さん親子(9月12日、長崎県諫早市で)=秋月正樹撮影

 「ようやく、一歩進んだ」。長崎県諫早市の下田恵さん(32)が絞り出すように語った。

 全身に重りをつけたような 倦怠けんたい 感、頭痛や腹痛、皮膚のかゆみ――。恵さんには幼い頃から、目には見えにくい様々な症状があった。学校でも保健室にいることが多く、「自分は人とは違う」と思い悩んだ。高校1年のとき、母親の順子さん(60)に、油症の認定患者と打ち明けられ、母も同じ症状で苦しんでいることを知った。

 自治体が油症患者の健康把握や認定のために行う「油症検診」にも通ったが、認定基準で重視されるダイオキシン類の血中濃度が低く、患者とは認定されていない。しかし、最近はぜんそくの症状がひどくなっており、順子さんも「子どもの将来が心配。調査が救済につながることが親としての願い」と話す。

 高知市の中内孝一さん(50)は母親(81)が認定患者で、肺炎や気管支炎、アレルギー症状、倦怠感など全身の症状に苦しんでいる。油症の影響を疑ってきたが、ダイオキシン類の血中濃度は一般の人と変わらず、認定されていない。

 8月末、約20ページの調査票が自宅に届いた。母親と一緒に50年間の記憶をたどって記入している。「この症状はカネミ油症に由来するのか、はっきりさせてほしい」と訴える。

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2433320 0 ニュース 2021/10/10 05:00:00 2021/10/10 16:13:04 2021/10/10 16:13:04 <カネミ油症事件 発生から38年>おびただしい被害者を生んだ食用油(1987年3月、福岡県添田町で)    1987年3月16日撮影   2006年3月27日朝刊東京27(社会)面掲載<連載企画[書く]カネミ油症 発生から37年、苦しみ今も(カネミ油症事件)>おびただしい被害者を生んだライスオイル(1987年3月、福岡県添田町で)    1987年3月16日撮影   2005年11月5日朝刊西部21(西特21)面掲載※オリジナル※<カネミ油症事件 不安残し苦渋の和解>恨みの食用油(16日、福岡県添田町の紙野柳蔵さん宅で)     1987年3月16日撮影        ★未掲載(参考、21日朝刊西部23面)     ※使用の際は、撮影日、絵解きなどを紙面等で再確認して出稿してください※<掲載紙面記事>〈カネミ油症事件〉 1968年、カネミ倉庫(北九州市)製の食用米ぬか油に熱媒体のポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入、油を摂取した人たちに激しい皮膚症状や内臓、神経疾患などが生じた食中毒事件。 原因食品は「カネミライスオイル」、病因物質はその後の調査研究でPCBの加熱で生じたポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)とコプラナーPCBというダイオキシン類が主であることがわかった。認定された被害者は国やカネミ倉庫、PCBを製造した鐘淵化学工業(現カネカ)に損害賠償を求めて提訴。87年、最高裁で鐘化と和解が成立、国への訴えを原告が取り下げ、裁判は終結したが、9年後に27億円の仮払金の返還を国(農水省)が請求し、元原告の被害者と家族が反発している。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211010-OYTNI50004-T.jpg?type=thumbnail

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