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2020年7月の九州豪雨で氾濫した熊本県・球磨川の治水対策で支流・川辺川で検討されている流水型ダムについて、国土交通省は17日、今後、必要な事業費が2700億円に上るとの試算を公表した。実施済みの整備費を加えた総事業費は4900億円となり、従来の川辺川ダム計画から1000億円以上の増額となる。完成時期は2032年度以降との見通しも示した。
同日、熊本市で開いた球磨川水系学識者懇談会の中で明らかにした。同省は2008年、従来の川辺川ダムの総事業費について3300億~3400億円との試算を示しており、大幅な増額となった理由については物価上昇や消費税の増税、貯水型ダムから流水型ダムへの構造変更などを挙げた。
また、会議では、検討中の流水型ダムについても治水効果を高める目的で、ダム本体の下部のほか、中段にも放流口を設け、それぞれにゲートを付けて洪水量を調節する方針も示した。

川辺川ダム計画は旧建設省が1966年に発表。事業費は当初350億円とされていた。その後、事業費が膨らみ、「脱ダム」を掲げる民主党政権が09年に中止したが、九州豪雨を受け、国や県、流域市町村は昨年3月、流水型ダムを柱とする治水対策をまとめていた。