公示地価 九州・沖縄6年連続上昇

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 2022年の公示地価は2年ぶりに全用途平均で上昇し、九州・沖縄では全用途が1・5%上昇(前年は0・6%上昇)と、6年連続のプラスだった。大型開発計画が進むエリアで、先行きへの期待が価格上昇につながるケースが相次いだ。福岡県が全国の商業地の上昇率で2年連続トップとなるなど、コロナ禍でも勢いを維持している。

新幹線効果

 半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループなどが4月に新工場の建設を始める熊本県菊陽町は、住宅地の平均変動率が4・6%上昇、商業地も4・3%上昇で、国土交通省によると、ともに過去10年で最大の伸び率となった。

TSMCの半導体工場が予定されている熊本県菊陽町。住宅地も商業地も地価が上昇した=(C)NNN
TSMCの半導体工場が予定されている熊本県菊陽町。住宅地も商業地も地価が上昇した=(C)NNN

 同町は、隣接する熊本市への交通利便性の良さなどから人口がこの約20年間で1・5倍に増えており、土地取引の需要も伸びていた。TSMCの工場が2023年に完成すれば、台湾からの技術者を含め1700人規模の雇用が見込まれている。地元の不動産鑑定士は「住宅需要はさらに増えるだろう」と話す。

 大型事業が地価に好影響を与えているのは、9月に開業を控える西九州新幹線(武雄温泉―長崎)も同様だ。新駅ができる佐賀県嬉野市の住宅地は1・1%上昇で、06年に同市が発足して初めてプラスに転じた。商業地も0・2%上昇で、不動産関係者は「新幹線効果で開発の機運が高まった」とみている。長崎駅周辺の再開発が進む長崎市も、商業地が1・9%プラスだった。

空き店舗増

 商業地の上昇率が2年連続トップとなった福岡県をリードしたのは、大型開発が続く福岡市だ。

 同市博多区の複合商業施設「キャナルシティ博多」に近い商業地1地点では上昇率が18・0%と、全国の地点別で3番目に大きな伸び率だった。23年3月に開業を予定している市地下鉄七隈線の延伸事業で近くに新駅ができるため、オフィス需要が増えた。

 同市では、「天神ビッグバン」などで大規模な再開発事業が進み、マンション需要による土地の高値取引も相次ぐ。全国の商業地の地点別上昇率トップ10では、博多区の地点を含め計7か所が入った。

 一方、コロナ禍の影響が長引いて地価の回復が遅れているのが、都市部の繁華街などだ。熊本市や宮崎市、鹿児島市、那覇市の中心部などでは変動率がマイナスの地点があり、「新型コロナで客足が遠のいて空き店舗が増加している。今後の不安もぬぐえない」(熊本県の不動産関係者)と先行きを懸念する声も出ている。

 不動産サービス会社ジョーンズラングラサールの山口武・リサーチディレクターは「人口が増えて経済が活性化する場所は投資資金の流入が続く一方、旧来の繁華街や人口減少が続くエリアでは上昇の要因が見つけにくくなっている」と指摘している。

 九州・山口・沖縄の最高価格は、住宅地が「福岡市中央区大濠1の13の26」(1平方メートル当たり87万円)、商業地が同区天神1の旧天神コアビル(同1100万円)だった。

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