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秋田「巨大風車」めぐりの旅

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秋田支局長 田中成浩

冬の季節風利用、風力発電導入量が全国1位

 秋田県に赴任してまず気がついたのが、巨大風車の多さだ。秋田市内の自宅から支局への道すがら、遠くに風車が回っているのが見える。遠望とはいえ、日常の景色の中でこれほど多くの風車を見ることになったのは、初めてのことだ。

夕日を背にした風車の足元には海水浴場が広がる(秋田県三種町の釜谷浜海水浴場で)
夕日を背にした風車の足元には海水浴場が広がる(秋田県三種町の釜谷浜海水浴場で)

 それもそのはず。秋田県内の風力発電導入量は、約65万キロワット(2021年2月15日現在、秋田県・資源エネルギー産業課調べ)で全国1位。秋田県の沿岸部は冬に日本海からの強い季節風が吹き、風力発電に向いているという。

 県内の巨大風車は、羽根まで含めると全高120メートルを超えるものもあるらしい。

 今年の冬は寒さも風もひときわ厳しく、寒がりの身にはこたえたが、春の訪れとともに「風車狩り」の旅に出てみることにした。

海沿いの高原、迫力満点の風切り音…県南

 秋田県内の「風車スポット」の中で、個人的に一番気に入っているのは「仁賀保(にかほ)高原」だ。海沿いにせり上がった高原に風車が林立している。中には、風車の真下付近まで近寄れるものもある。下から見上げると、その巨大さに圧倒され、回っていれば風切り音もハッキリと聞こえてきて迫力満点だ。

 高原の中心近くにある「仁賀保高原ひばり荘」は小高い場所にあることもあって、どの方角を見ても風車が目に入る。牧草地に並ぶ風車を手前に、遠くは鳥海山や日本海も見渡すことができ、絶景と言っていいだろう。

鳥海山と風車たち。自然の力を感じる景観だ(にかほ市の仁賀保高原「ひばり荘」近くで)
鳥海山と風車たち。自然の力を感じる景観だ(にかほ市の仁賀保高原「ひばり荘」近くで)

 にかほ第二風力発電所の建設(2020年)に伴って整備された南展望台もある。風車を間近に見られるだけでなく、名峰・鳥海山の山体崩壊を一望できるポイントだ。海に向かって開けているため、風車を力強く回す風の威力を、身をもって感じられる。

頂点まで30階建てビルに相当…県北

県北へ向かう幹線道路沿いに立ち並ぶ風車(秋田市飯島堀川で)
県北へ向かう幹線道路沿いに立ち並ぶ風車(秋田市飯島堀川で)

 秋田市内から県北へ海沿いに向かう道を走る。街中でもちょくちょく目に入る風車だが、絶え間なく視界に現れることに驚かされる。

 県北のおすすめスポットは、三種(みたね)町の釜谷浜海水浴場だ。砂浜沿いに巨大風車がきれいに並んでいる光景は壮大だ。中には、地面から羽根の頂点までの高さが、最も高い位置で125メートル、およそ30階建てのビルに相当するものもある。

海岸線沿いにずらり…秋田市

北の方角を見ると、ずらりと並んだ風車が一望できる(秋田市の大森山公園展望台で)
北の方角を見ると、ずらりと並んだ風車が一望できる(秋田市の大森山公園展望台で)

 秋田駅から手軽に行けるスポットなら、「道の駅 あきた港」だろう。秋田港近くの秋田市向浜地区にあるポートタワーセリオンに上れば、海沿いに立ち並ぶ風車を一望できる。

 少し足を延ばして、大森山展望台からは、男鹿半島に続く海岸線沿いに風車が並んでいる様子が遠方まで見渡せる。双眼鏡があれば、男鹿半島の付け根の風車まで確認できるので、持って行くことをおすすめする。

課題乗り越え、脱炭素化に貢献

春の農作業の背後にも風車の列(秋田県男鹿市で)
春の農作業の背後にも風車の列(秋田県男鹿市で)

 筆者は昨年の晩秋に東京から秋田に着任した。それ以来、悩まされ続けたのが、吹雪だった。冬が例年以上に厳しかったこともあるが、雪を伴った強風には閉口するとともに、底知れない自然の厳しさや力を痛感させられた。この自然の力、風の力をエネルギーに生かすというのは、確かにうなずける。

 これから、秋田県沖では洋上風力発電の幕も開ける。政府は地球温暖化防止策として、石炭火力発電所を段階的に休廃止させる一方、再生可能エネルギーの主力電源化を急ぐ方針で、その切り札として、期待されているのが洋上発電だ。

男鹿半島の入り口ではナマハゲと風車が出迎える(秋田県男鹿市で)
男鹿半島の入り口ではナマハゲと風車が出迎える(秋田県男鹿市で)

 一方、巨大で数多くの風車や発電施設の建設には、「自然景観を損なう」との批判があるほか、騒音、漁業への悪影響などの課題も指摘されている。こうした問題点に丁寧に対応しつつ、風力発電、洋上発電が脱炭素化に貢献し、未来の地球や日本の環境改善につながればと思いを巡らす「風車めぐりの旅」だった。

プロフィル
田中 成浩(たなか・なるひろ)
1965年3月7日、東京都生まれ。89年、読売新聞東京本社に写真記者として入社。以来、写真畑を歩む。これまでの赴任地は大阪、名古屋で東北地方は2020年11月からの秋田が初めて。みちのくの自然や文化を知るにつけ、写真に記録したい思いに駆られている。

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2017044 0 We Love みちのく 2021/04/29 12:00:00 2021/04/29 12:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210423-OYT8I50069-T.jpg?type=thumbnail

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