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仙台・広瀬川の11橋をランニングで巡る

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 百万都市・仙台のシンボルは、何といっても市街地を貫く広瀬川だろう。シンガー・ソングライターさとう宗幸さんの代表作「青葉城恋唄」の歌い出しも、「ひろせがわ~」だ。その広瀬川には、40近い橋があるという。この春、せっかく仙台に住んだのだからと、市街地にある11橋をランニングで巡ってみたら、想像以上に変化のある「川旅」となった。(文中のカッコ数字は地図上の場所を示す)

東北統括本部 原田信彦

広瀬橋から上流の中心市街地を望む夕暮れ。川面にビル群のシルエットが映る
広瀬橋から上流の中心市街地を望む夕暮れ。川面にビル群のシルエットが映る

川面に映り込むビル群、夕映えの美しさ

 地下鉄河原町駅が最寄りの自宅(若林区)は、駅名が示す通り広瀬川まで数百メートルの近さにある。休日の朝、ランニング用ポーチに水ボトルとスマホ、非常用現金などを入れて出発した。

 まずは堤防上の歩道を下流方向へ。河川敷には陸上競技の練習に使えるタータン張りのトラックがあり、市民ランナーの姿が絶えない。ちょうど2キロ走ったところで、東北の大動脈・国道4号が通る 千代(せんだい) 大橋(1)に着いた。広瀬川が名取川と合流する手前にあり、歩いて渡れる橋としては最下流部にあたる。長さ310メートル。ここを渡って右岸を上流へ向かい、JRの鉄橋をくぐると広瀬橋(2)だ。

東北の大動脈・国道4号が通る千代大橋
東北の大動脈・国道4号が通る千代大橋

 この辺り、夏場はアユ釣り客の姿が見られ、冬場は飛来したハクチョウの繁殖地となる。やや上流には (せき) があり、水がとうとうと流れ落ちる様は、市内屈指の眺望スポットだ。橋の中央付近から上流を眺めると、中心市街地のビル群が川面に映り込む様が美しい。特に夕映えの見事さには絶句する。この辺りはさらに宮沢橋(3)、愛宕橋(4)、愛宕大橋(5)と橋が密集しており、渡るたびにテンションが上がる。

伊達政宗公のお膝元

 愛宕橋のすぐ上流側にある愛宕大橋は、1975年に開通した片側3車線の道路橋だ。ここを右岸側へ渡り、しばらく川から離れて丘陵地帯を通る。坂を下ると再び広瀬川が見えてくる。この辺りから川幅はやや狭くなる。地盤を深くうがち、大きく蛇行して淵や瀬をなすさまは、渓谷の趣すらある。伊達政宗公の 廟所(びょうしょ) である「 瑞鳳殿(ずいほうでん) 」につながる 霊屋(おたまや) 橋(6)を渡って左岸を上流方面へ。「米ヶ袋」の地名がついているこのあたりは、河原に降りて水辺の散策も可能だ。

和風の装飾が特徴的な大橋
和風の装飾が特徴的な大橋

 順番通りだと次は評定河原橋(7)だが、できるだけ一筆書きにして距離を節約したいので復路で渡ることとし、大橋(8)を目指した。大橋は青葉城の大手門と城下町を結び、ルーツは17世紀初頭にまでさかのぼるという。現在の橋は1938年に架けられたそうだ。美しい白色で、和風の装飾が特徴的だ。欄干から見下ろすと、川底まで見える澄んだ水が流れ、降りて足を浸したくなる。

澱橋左岸の堤防上は、陸上競技場のトラックと同じ舗装が施され、「ツノゴロ」の愛称で地元ランナーに親しまれている
澱橋左岸の堤防上は、陸上競技場のトラックと同じ舗装が施され、「ツノゴロ」の愛称で地元ランナーに親しまれている

 青葉城の急坂を駆け上がり中腹を右折、再び上流を目指す。仲の瀬橋(9)は復路に回して (よどみ) 橋(10)へ。左岸の堤防上は、約1キロにわたり陸上競技場のトラックと同じ舗装が施されており、脚に優しい。「角五郎」という地名から、地元ランナーの間では「ツノゴロ」の愛称で親しまれている。コース沿いには桜並木があり、時期ともなれば花見ランを存分に楽しめる。ツノゴロの先、 牛越(うしごえ) 橋(11)が今回の折り返し点。付近には記録に残る日本初の水力発電所、三居沢発電所(東北電力)がある。

伊達政宗公の廟所につながる霊屋橋
伊達政宗公の廟所につながる霊屋橋

仙台の背骨体感、飽きない20キロ

 右岸の丘陵を駆け上がり、先ほどスキップした仲の瀬橋(9)を渡る。仙台中心部と東北自動車道仙台宮城ICを直結する仙台西道路が通り、とても道幅が広い。欄干のフェンス越しに、仙台市営地下鉄東西線の鉄橋が望める。左岸沿いに下流へ向かい、評定河原橋を渡ったところで、本日の目標である11橋を達成した。おまけ納めに霊屋橋を渡り、約3キロ先の自宅へゆっくり向かった。

 総走行距離は約20キロ。長い道のりながらちっとも飽きなかったのは、仙台の街を形作る「背骨」を体感できたからか。次は自転車で、もう少し楽に回ろうかと思う。

電動アシスト自転車のシェアサイクルも

 橋巡りの手軽な方法として、シェアサイクル「仙台コミュニティサイクル DATE BIKE」がある。すべて電動アシスト自転車で、急坂も楽々と上れる。仙台駅やコンビニで1日パスを購入できる。なお、青葉城跡からさらに足を延ばせば、今回紹介した11橋に加え、広瀬川支流・竜ノ口渓谷にかかる八木山橋(12)にもアクセス可能だ。URLはhttps://docomo-cycle.jp/sendai/

プロフィル
原田 信彦(はらだ・のぶひこ)
1967年3月、愛媛県生まれ。90年に読売新聞東京本社に入社。横浜支局での警察担当を振り出しに、編成部、松本支局を経て科学部へ。約20年にわたり、素粒子から天変地異まで、科学技術に関する様々なニュースを取材、つくば支局長も務めた。昨年2月に東北統括本部に着任。コロナ禍のため名高いみちのくの夏祭りは一度も見られていないが、四季折々の美しい風物に魅了されている。

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2128937 0 We Love みちのく 2021/06/17 12:00:00 2021/06/17 12:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210615-OYT8I50061-T.jpg?type=thumbnail

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