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薬草・毒草多彩に使った

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伊賀研究拠点の敷地内に設けられた薬草園
伊賀研究拠点の敷地内に設けられた薬草園
ヨモギ=山本氏提供
ヨモギ=山本氏提供
ドクダミ=山本氏提供
ドクダミ=山本氏提供
シキミ=山本氏提供
シキミ=山本氏提供

 忍者の訓練や活動は過酷で、ケガは日常茶飯事だったはずだ。戦闘で大ケガを負うこともあっただろう。また、忍者の活動に直ちに対応するには健康が第一。だから忍者はケガや病気の予防、治療に多くの薬草を使った。

 私は2009年1月、三重大伊賀研究拠点(伊賀市ゆめが丘)に准教授として赴任し、拠点の敷地内に薬草園を作った。当時は「忍者・忍術学」を想定していなかったが、伊賀地域に関連する研究の一環で、忍者が扱った薬草・毒草を栽培しようと考えた。

 約500平方メートルに120種ほど植えている。そのうち約10種が、忍者も用いたとされる薬草・毒草だ。電気柵を巡らせて獣害を避け、水草を育てるために循環式の水槽を設置。忍者研究とは無関係だが、薬効を確認する動物実験などもしてきた。

 忍者が用いた薬草として、忍術書「万川集海」にはアサガオの種、ヨモギの葉、牡丹ぼたんの根の皮、ドクダミ、オオバコ、芍薬しゃくやく、シキミなどが記されている。

 アサガオの種は「牽牛子けんごし」と呼ばれ、粉末にして下剤に使った。ヨモギの葉は虫刺されや切り傷の止血剤に。牡丹の根の皮には、うっ血を治す効果がある。

 ドクダミは別名「十薬」ともいわれる万能の薬草。特に白癬菌はくせんきんに対する抗菌作用があるほか、腫れ物や虫刺され、服用すれば利尿、便秘に効く。オオバコは、葉に解毒作用があり、せきを鎮め、眼病にも効能がある。芍薬の根には鎮痛作用がある。

 毒にも薬にもなったのはシキミ。現在、法律で「劇物」に指定されている唯一の植物だ。しかし、採取した油を手足に塗れば、凍傷を予防できる。また、これは実際に効果があったかは不明だが、白蛇と大唐米の粉末が、日射病や腹痛、頭痛などの急病に効く万能薬として用いられた記録がある。

 忍術書には「忍び出で立ちには虫薬を第一とす」とある。この「虫薬」は虫下し、キハダやゲンノショウコなどの腹薬のことであった。眠気覚ましに、き茶と干しアサリを交ぜた薬を飲んだ。船酔いの予防薬には、白角豆と梅干しを交ぜたものが使用されていたという。(この項続く)

山本好男・特任教授
山本好男・特任教授

 山本好男・社会連携特任教授

 中毒学、環境化学。日本大院修了。植物が持つ毒や薬効成分、機能性物質などを研究する。

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11929 0 三重大発!忍び学でござる 2018/03/14 05:00:00 2018/03/14 05:00:00 伊賀研究拠点の敷地内に設けられた薬草園 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180314-OYTAI50002-1.jpg?type=thumbnail

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