「龍神流忍術 體術之巻」=筆者提供
ショーや映像に登場する忍者は、バク転で敵の攻撃をかわし、助走なしで跳び上がり、家の屋根から飛び降りる。「人並み外れた身体能力を修行で獲得した」と信じる人々が多いが、実際はどうだったのか。
かつて「最後の忍者・甲賀流14世」を称し、スパイ養成機関として知られた陸軍中野学校の草創期に忍術を指導した藤田西湖氏(1899~1966年)は、自著で「忍者は普通五十尺(約15メートル)の高さより跳んでも平気であり、高跳びは九尺(2・7メートル)が標準」と記している。誇大表現であろう。
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