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    桑名の御用水、遺構発見…江戸から明治脈々と

    長さ30センチ土管「幾つも接続」

    • 伝馬公園で見つかった「町屋御用水」の遺構。実際に土管が敷設された状態で初めて確認された。土管の一方は口をすぼめてあり、水が漏れないようにつなげてある
      伝馬公園で見つかった「町屋御用水」の遺構。実際に土管が敷設された状態で初めて確認された。土管の一方は口をすぼめてあり、水が漏れないようにつなげてある

     桑名市伝馬町の伝馬公園で行われている桑名城下町遺跡の発掘調査で、江戸時代の上水道「町屋御用水」の遺構が見つかった。上水を通水するための土管が、敷設された状態で初めて発見されたもので、市観光文化課では8日に現地説明会を開き、発掘の成果を発表する。

     伝馬公園には、市が多機能型福祉施設の整備を予定している。同公園は桑名城下町遺跡に含まれるところから、9月から試掘調査が行われている。調査では、地表から約1・7メートル掘り進めた江戸時代の地層から、土管をつないだ遺構が見つかり、「町屋御用水」遺構と確認した。

     桑名の城下町は、木曽三川(揖斐川、長良川、木曽川)が運んだ土砂が積もってできた低い土地だったため、井戸水は飲用に適していなかった。

     江戸時代、第4代桑名藩主・松平定行は、水問題を解決するため1626年から上水道の整備に着手した。これが町屋御用水で、南西方向の員弁川(町屋川)から城下町を囲む堀の内に水を引き入れた。町屋川から名前をとったとされ、全国6番目に整備された上水道という。はじめは溝を掘り、途中から土管を地中に埋めて通水。御用水は明治時代まで280年間にわたり使用されたという。

     発掘現場では、土管(長さ約30センチ、直径約10センチ)が幾つも接続された様子がよく分かる。発掘調査で町屋御用水の遺構が見つかるのは初めてで、詳しいデータを残す最初の事例となる。周辺の土壌からは鎌倉時代から江戸時代にかけての茶わんや皿、すり鉢などの陶磁器片も多数出土している。

     調査を担当する学芸員の須藤梢さん(30)は、「上水道があったことは知られていたが、当時、使われていた状態で発掘され、江戸の人々の暮らしを考える上でも貴重な発見」と話す。

    8日に現地説明会

     調査では、江戸時代の墓地の跡も見つかった。現地説明会は8日午後2時から約1時間(荒天の場合、9日に順延)。現地には駐車場がないため、公共交通機関の利用を勧めている。問い合わせは、市観光文化課(0594・24・1361)。(竹本吉弘)

    2018年12月04日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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