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新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が明けた7日、県内の飲食店では通常営業が再開された。ただ、県内の感染者数は高止まりが続き、21日までは県独自の「再拡大阻止重点期間」として、マスク会食の徹底などが呼びかけられている。店主らからは「コロナが収まらない限り、客足が戻るかは不安だ」との声が聞かれた。
「解除を待ち望んでいました。ようやく通常営業に戻れます」。四日市市諏訪栄町の居酒屋「Bulan(ブラン)」を経営する廣田洋子さん(48)はこう話して、笑顔を見せた。
通常営業は午前0時まで。この間、感染対策が取られていると県がお墨付きを与える「あんしんみえリア」認証店として、午後9時までの時短、酒類提供という要請に従い営業してきたが、「売り上げはほぼ半減。なじみのお客さんらが足を運んでくれて何とか続けてこられた」と振り返る。
この日は月曜ということもあって予約はなく、客の来店を待って料理を準備した。廣田さんは「お客さんが今まで通りに戻ってくるかはわからず不安。今回で時短要請は最後にしてほしい」と願っていた。
紀北町で飲食店「ビストロモンテメール」を経営する山下智久さん(42)は「ランチ客は通常の半分以下。お酒が出せず、夜の利用は1、2組だった」と話す。
当初、東紀州地域は重点措置の区域外だったが、県北中部と同様に客は減っており、「制限するなら、地域差をつけずに県全域でやってほしかった」と県の対応に疑問を投げかけた。飲食店のみが時短要請を強いられて営業に影響が出ているとし、「解除後は、必要以上に飲食店を悪者にして騒がないで」と訴える。
例年ならこの時期はかき入れ時だが、「コロナが収まらない限り、送別会は開かれないのでは」と不安を口にする。春に向け、仕入れたイチゴのリキュールや、桃風味のワインなどをそろえて客が戻るのを待つ。
津市幸町のレストランバー「赤いトタン屋根の猫」は午後8時までの営業を午後11時とし、酒類提供も再開した。ただ、感染者数は依然多く、店主の北村慎一郎さん(48)は「時短に果たして意味があったのか」と首をかしげる。
歓送迎会シーズンを迎えるが、「例年なら予約でいっぱいになるが、今はまだゼロ。団体客が戻らないと経営的には厳しい」と話していた。
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県は7日、新型コロナウイルスに343人が感染したと発表した。300人台となるのは2月28日以来、7日ぶり。70、80、90歳代の男女計3人の死亡が発表され、県内の死者は253人となった。
病床使用率は前日比0・9ポイント減の38・4%。重症者は前日と同じ9人で、重症者用の病床使用率は17・3%。自宅療養者は前日から115人減の4395人。
居住地別の感染者数は、津市72人、四日市市53人、松阪市47人、鈴鹿市42人、伊賀市25人、名張市20人、伊勢市18人、桑名市17人、亀山、志摩市各7人、東員町6人、鳥羽市5人、川越、玉城町各3人、いなべ市、木曽岬、菰野、朝日、多気、明和町各2人、度会、紀北、御浜町各1人、県外3人。