学問の神に「算額」戻る 伊賀の菅原神社

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火災で破損12年ぶり拝殿に ゆがみや色修復

修復された算額に目を向ける直井宮司(いずれも伊賀市の菅原神社で)
修復された算額に目を向ける直井宮司(いずれも伊賀市の菅原神社で)

 伊賀市上野東町の菅原神社(上野天神宮)の拝殿が2010年7月に全焼した火災で損傷した「算額」の修復作業が完了した。江戸後期に同神社に奉納されたといい、市文化財に指定されている。直井清宮司(65)は「学問の神様をまつる神社にふさわしい宝が本来の姿に戻った」と喜んでいる。(尾崎晃之)

 算額は、江戸時代に日本で独自に発達した数学「和算」の問題や解答を記した絵馬の一種。当時の和算家らが自身が考えた問題や、解き方を額にして寺社に奉納し、研究成果を広く知らせたり、学問成就を祈願したりした。

 同神社の算額は1854年(嘉永7年)、伊賀・喰代出身で、神社近くの店で呉服や布団などを扱っていた商人が奉納したとされている。町衆の学問の様子を伝える貴重な史料といい、ケヤキの一枚板(縦約80センチ、横約170センチ)に、円や三角形などの図形を記し、辺や円の周囲の長さを求める五つの問題と解答が彫られている。

算額に記された5番目の問題に関する図形
算額に記された5番目の問題に関する図形

 出火当時は拝殿に掲げられており、焼失は免れたが、焼け跡から破損した状態で見つかったという。拝殿は火災から2年後に再建。一方、算額は蔵で保管を続けていた。

 その後、氏子らの要望を受け、2020年5月から算額の修復に着手。市内の業者に依頼し、熱で生じたゆがみを修正したり、欠落した部分にケヤキ材をはめ込んだりして本来の形に戻していった。文字や図形は資料写真を参考に、金や赤、若竹色に着色した。

 今年3月末、12年ぶりに拝殿に掲げられ、4月25日の春季例祭で改めて氏子らに修復完了の報告が行われた。直井宮司は「そろばんだけでは駄目だ、という先見の明で和算に励んだ商人の姿を感じさせる。神に感謝する気持ちのこもった宝を大切にしていきたい」と話している。見学は要予約。問い合わせは菅原神社(0595・21・2940)へ。

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2997838 0 ニュース 2022/05/14 05:00:00 2022/05/14 05:00:00 2022/05/14 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220513-OYTNI50055-T.jpg?type=thumbnail

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