「きずな新聞」復興貢献評価 グッドデザイン賞に「石巻支援息長く」

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石巻復興きずな新聞を手にする岩元さん(6日、石巻市で)
石巻復興きずな新聞を手にする岩元さん(6日、石巻市で)

 石巻市で東日本大震災の被災者向けに手作りされ、災害公営住宅や仮設住宅の住民らに無料で配られている地域情報紙「石巻復興きずな新聞」が、今年度のグッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)に選ばれた。前身の「仮設きずな新聞」の期間を含めると創刊から7年を超える。長年の活動と配達を通して被災者の見守りに貢献していることなどが評価された。(三浦ちひろ)

 「石巻復興きずな新聞」は2016年6月に創刊。民間団体の石巻復興きずな新聞舎(石巻市)がA4判4ページの情報紙を月1回、約5000部発行している。配布先の9割が市内の災害公営住宅で、仮設住宅にも配布している。ボランティア約35人が記事執筆や配達に協力し、編集長の岩元暁子さん(36)は「私1人ではできない。石巻の皆さんには本当に支えられている」と支援に感謝する。直接被災者らに手渡しすることで、地域の見守りや暮らしの向上に貢献しているとして今回、同賞に選ばれた。

 前身の「仮設きずな新聞」は、震災から半年後に被災者支援団体「ピースボート災害ボランティアセンター」が発行し、当時センター職員だった岩元さんは編集長を務めていた。復興が進むと同時に仮設住宅も徐々に解消され、同団体は震災から5年後の16年3月に撤退し、新聞も廃刊。しかし、仮設住宅の住民からの廃刊を惜しむ声や、ボランティアからの「続けたい」との要望を受け、岩元さんはセンターを退職し、同新聞舎を設立した。

 「仮設きずな新聞」創刊当時は仮設住宅での防寒対策や料理情報など生活の知恵を多く掲載。今では地域の催し情報の他に、防災集団移転をした被災者に故郷の状況を知ってもらいたいと、同市雄勝地区や河北地区などの様子をコラムで書いてもらうコーナーも設けた。岩元さんは「読者からアンケートを取ったり、手渡しする時に意見をもらったりして、知りたい情報を届けられるようにしている」と、被災者のニーズにも応えている。

 「最後の1人が仮設住宅を出るまで」が、発行を続けることの目標だったが、多くの人が災害公営住宅に住む現在、岩元さんの心境に変化が表れている。「仮設を出たからといって終わりではない。災害公営住宅に入ってから新しいコミュニティーを作れず孤独を感じる人もいる。そんな人たちに寄り添う新聞として、まだやれることがあるのではないか」

 無料配布のため、発行資金は県からの助成金や寄付などに頼っており、継続は簡単ではない。それでも岩元さんは、「書く人、配る人、読む人みんなが元気になれる新聞作りを心がけている。活動を通して石巻へ息の長い支援をしたい」と受賞を機に決意を新たにする。

435318 1 ニュース 2019/02/08 05:00:00 2019/02/08 05:00:00 2019/02/08 05:00:00 石巻復興きずな新聞を手にする岩元さん(6日、石巻市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190207-OYTNI50087-T.jpg?type=thumbnail

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