パラオから入植・工藤さん 蔵王来訪時の笑顔「夢のよう」

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「こんな小さい村に来てくださるなんて思ってもみなかった」と話す工藤さん(22日、蔵王町北原尾地区で)
「こんな小さい村に来てくださるなんて思ってもみなかった」と話す工藤さん(22日、蔵王町北原尾地区で)

 太平洋戦争の激戦地・パラオから引き揚げた人々が開拓した蔵王町の北原尾きたはらお地区。天皇、皇后両陛下は2015年、同地区を訪問された。案内役を務めた入植者の一人工藤静雄さん(77)は、即位30年の節目に「両陛下がいらしてくれたおかげで、先人のこれまでの苦労も報われた」と感謝の気持ちを強くする。

 工藤さんは1946年、4歳の時に一家でパラオから同地区に入植。米軍の攻撃が激化し、1歳の妹を栄養失調で亡くす中、約30世帯とともに蔵王の地にたどり着いた。「北原尾」の地名は、南洋のパラオを忘れないようにと、「北のパラオ」に由来する。

 開墾生活も苦労の連続だった。篠竹しのだけで作った掘っ立て小屋に住み、5キロ以上離れた小学校まで極寒の雪道を草履で通った。酪農を始め、「子供の頃から朝晩はずっと牛の乳搾り。妻と結婚した時も式なんて挙げる余裕はなかった」と、生きるのに必死だった。

 両陛下は「慰霊の旅」としてパラオを訪れた2015年、苦労して開拓した入植者をねぎらいたいと同地区も訪問された。「寒くて大変だったでしょう」などと声をかけられた工藤さんは、入植当時の様子などを直接説明した。「優しい笑顔で話しかけられて夢のようだった」と振り返る。両陛下のご訪問から1年後、地区の一角には記念碑が建てられた。

 工藤さんは26日に皇居・宮殿で開かれる即位30年記念の宮中茶会に招待された。「まさかまたお会いできるとは思っていなかった」と驚きつつ、「両陛下に感謝の気持ちとともに『お疲れさまでした』とお伝えできれば」と、約4年ぶりの再会に思いを巡らせる。

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459971 0 ニュース 2019/02/25 05:00:00 2019/02/25 05:00:00 2019/02/25 05:00:00 「こんな小さい村に来て下さるなんて思ってもみなかった」と話す工藤さん(22日、蔵王町北原尾地区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190224-OYTNI50047-T.jpg?type=thumbnail

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