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荒浜の姿砂浜に並ぶ 写真展 元住民・佐藤さん撮影9年

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佐藤さんが撮りためた荒浜地区の様々な表情を収めた写真が砂浜に並ぶ
佐藤さんが撮りためた荒浜地区の様々な表情を収めた写真が砂浜に並ぶ

 仙台市の沿岸部、荒浜地区の様々な表情をとらえた写真展が、深沼海水浴場で開かれている。同地区は、東日本大震災の津波で大きな被害を受け、住宅を建てられない災害危険区域に指定された。写真で記憶にとどめようと、地区出身のアマチュアカメラマンが撮りためた作品で、同郷の人たちに思い出をたどってもらいたいとの願いが込められている。

 写真展を開いているのは、元住民で同市太白区の佐藤豊さん(83)。

 砂浜に並ぶ約40点の写真には、浜辺に咲くピンク色のハマヒルガオの群生や海に沈む夕日、3年前から地区で行われている灯籠流しなどが収められている。元住民などから提供を受けた昭和50年代の木造校舎の荒浜小の写真もある。作品は漁網が絡んだ流木に立てかけて展示。半農半漁で栄えた地区の歴史を表現した。

 佐藤さんは、約30年前からカメラを趣味にしている。元々は山菜採りがてら、目に入った山の風景を切り取ってきた。古里にレンズを向けるようになったのは震災からだ。

 当時、荒浜にあった自宅の居間で妻と当時93歳の母親の3人で談笑している時、激しい揺れに襲われた。母親を内陸寄りの親類宅に預けた後、家の片付けをしようと、荒浜に向かって車を走らせた。

 家から約300メートルほど手前で、高さが10メートルほどある白い壁のようなものが立ち上っているのが見えた。しばらくすると、その壁に家々が押し上げられているのを見て、津波と気づいた。慌てて来た方向に戻り、難を逃れた。家は流され、居を移した。

 5日後、荒浜に足を踏み入れると、津波で流された写真を見つけ、泣いて喜ぶ被災者の姿を目にした。写真が人に生きる希望を与えることを知った。

 震災後に初めて撮ったのは、2011年7月、倒れた寺の門標の隣に咲いたヒマワリの花。以後9年にわたり、人影が消えた土地で力強く咲く花や、夕日に照らされ輝く仙台湾などをフレームに収めてきた。

 見て悲しくなる写真は撮らないという佐藤さん。「荒浜地区で家族と一緒に暮らした明るい思い出を写真で振り返ってほしい」と語る。写真展は13日まで。

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1471755 0 ニュース 2020/09/12 05:00:00 2020/09/12 05:00:00 2020/09/12 05:00:00 浜辺に飾った荒浜地区の写真を横に海を眺める佐藤さん(4日、仙台市若林区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200911-OYTNI50029-T.jpg?type=thumbnail

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