サン・ファン号解体反対 複数団体が連帯ネット設立
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石巻市の慶長使節船ミュージアムに係留されている復元船サン・ファン・バウティスタ号の解体に反対する複数の市民団体などが連帯して「サン・ファン号保存を求める世界ネットワーク」を設立した。近く解体中止を求める仮処分を仙台地裁に申し立てるとしている。
同船は、江戸時代初めに太平洋を横断した仙台藩の慶長遣欧使節の木造帆船を、伊達家に残されていた記録から復元したもの。1993年に建造され、県が管理してきた。老朽化を理由に、県は2021年度以降の解体を決定。現在の4分の1大の後継船を繊維強化プラスチックで作る方針を示している。
市民団体は昨年2月、船の保存を求める約3300人分の署名を県に提出。活動を続ける中で、使節の子孫とされる人々がいるスペインやメキシコの都市からも保存を求める声が上がっているという。
ネットワークには、国内外の10団体や個人が参加し、改めて解体中止を訴えていく。今後は街頭での署名活動や船の保存をテーマとしたシンポジウムも開くことにしている。
ネットワークの白田正樹会長は「船は400年前の大偉業を伝える大事な文化遺産。県は保存のための最大限の努力を尽くしたのか検証したい」と話した。