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ガシャン――。6月24日夕、仙台市太白区のJR南仙台駅前。街頭演説していた平井の目の前で、高校生の自転車とタクシーが接触する事故が起きた。
平井は演説を中断し、「お母さんが来るまで一緒にいるからね」とけがをした高校生に寄り添った。駆けつけた警察官に状況を説明するなど、困っている人を放っておけない人柄が出た場面だった。
日本維新の会が東北で唯一、選挙区に擁立した候補者だ。維新のイメージカラーと同じ「みどり」色を身にまとう。「組織のしがらみがないチャレンジャー」と自身を表現し、改革政党の候補者として「万年与党と万年野党の戦いは終わりにしましょう」とアピールする。
県総支部が設立されたのは今年1月。選挙活動を手伝う地方議員はいない。平井の演説中は、県総支部代表で衆院議員の早坂敦が懸命にビラを配る。早坂は「ポスター貼りやはがき作りは家族や知り合いに頼む『友達選挙』だ」と形容。比例選や来春の統一地方選での党勢拡大を目指す。陣営は「宮城選挙区に候補を立てられたことは大きな一歩。維新スピリッツを参院選で広げたい」と力を込める。
選挙行程は細かく作らず、平井が前夜に決めた地域を選挙カーでくまなく回る。「ここだ」と思った場所で演説する「ゲリラ作戦」を展開する。平井は「なるべく多くの場所で演説したい。人通りや演説をするべき雰囲気かどうかは、行ってみないとわからない」と説明する。
「子どもたちの未来を決める選挙はとても大切。維新の改革を前に進め、野党第1党に押し上げたい」。演説での懸命な訴えには、「放っておけない」思いがにじむ。候補者の中で最年長の意地を見せ、最後まで全力で走り抜ける覚悟だ。