えびの全域で稲作再開へ 硫黄山噴火 来季、長江川上流に水門

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農家らに水門のシステムについて説明する県職員(左奥)
農家らに水門のシステムについて説明する県職員(左奥)

 2018年4月の硫黄山(1317メートル)の噴火に伴い、えびの市内を流れる長江川の水質が一時悪化し、市内の一部地域で稲作ができなくなっている問題で、市は17日、農家ら向けの説明会を開き、県が来年5月までに水門のシステムを川の上流に設けると説明した。再び水質が悪化することがあっても農地に水が流れないようにするもので、これにより来年は4年ぶりに市内全域で稲作ができる見通しとなった。

 噴火は18年4月19日、宮崎、鹿児島県境の霧島連山・硫黄山で250年ぶりに発生し、有害な物質が近くを流れる長江川に流れ込んだ。下流域で合流する川内川も含めて一時水質が悪化し、場所によっては環境基準の200倍を超える濃度のヒ素が検出された。18年は長江川、川内川から水を引くえびの市内の269ヘクタールの農地で稲作ができなかった。

 その後噴火はなく、水質も徐々に安定。えびの市内の長江川下流と川内川には県が19~20年、水門のシステムも3か所に設けた。このシステムにより噴火が再開して再び水質が悪化しても、自動で水門が閉まり、農地に水が流れないようになった。こうしたことにより下流域の農地では19年以降、稲作が順次再開した。

 一方で、長江川の上流では水門のシステムがなく、近くにあるえびの市内の約60ヘクタールの農地では20年に入っても稲作ができなかった。

 県が今回、長江川上流に新たに設ける水門のシステムは、例年6月に行われる田植えに間に合うよう、来年5月までに稼働させる予定。事業費は約7000万円を見込んでいる。

 市によると、長江川上流では最近、水質が稲作に使えるほど安定してきている。このため来年は上流域の農地でも川から水を引いて稲作を行い、万が一水質が悪化しても新たに設けられる水門を閉めることで、農地の安全性を確保できる見通しが立つという。

 この日は市と県の職員がシステムの導入について説明。出席した農家、松坂昭二さん(73)は「もう川の水は使えないと思っていた。来年から使えるようになってありがたい」と感謝していた。

 松坂さんは長江川上流から引いた水を使い、えびの市西長江浦の農地で稲作を続けてきたが、噴火後、水を引けなくなった。このため、ため池を自分で造って水を確保したが、それでも一部の農地では稲作を再開できていなかったという。県農村整備課の担当者は「システムにより円滑な稲作再開につなげられれば」としている。

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1633713 0 ニュース 2020/11/18 05:00:00 2020/11/18 05:00:00 2020/11/18 05:00:00 農家らにシステムの説明をする県職員(左奥)=小園雅寛撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201117-OYTNI50007-T.jpg?type=thumbnail

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