完了しました


北京冬季五輪が4日、開幕した。開会式に先立ち3日夜に行われたフリースタイルスキー男子モーグル予選では、県勢の杉本幸祐選手(27)(デイリーはやしや)と原大智選手(24)(日本スキー場開発ク)が10位以内に入り、5日の決勝に進出。同日は、リュージュやショートトラックなどの競技も行われる。
あおむけでそりに乗り、ほぼ生身で時速100キロ・メートルを超えるスピードで滑るリュージュ。日本勢として2014年ソチ五輪以来2大会ぶりに出場するのが、飯綱町出身の小林誠也選手(20)(信州スポーツ医療福祉専門学校)だ。「五輪は小学校からの夢だった」という憧れの舞台に若武者が挑む。
国内の競技人口は男女合わせて15人というマイナー競技を始めたきっかけは、小学校で配られた1枚のチラシだった。長野県が冬季五輪のメダリスト育成を目指して小学生を対象に実施している「
参加者を募集するチラシの裏面に種目の一覧があり、リュージュを始めとする「そり競技」の存在に目を留めた。飯綱町の実家周辺は積雪が多く、「毎年、家の前にある坂でそり遊びをするのがすごく好きだった」。興味を引かれたのは「その影響かなと思います」と笑う。
プロジェクトへの応募をきっかけにコーチに勧められ、長野五輪の会場となったスパイラル(長野市)で初めて滑ったのは小学校5年生の時。その楽しさにのめり込んだ。中学生になると国内の合宿にも参加。コーチ陣に五輪経験者がいたこともあり、夢の舞台は身近な目標になったという。
スパイラルは17年度を最後に製氷を休止したが、その後も夏場はスパイラルを拠点にトレーニングし、冬は海外遠征で氷上を滑る感覚を磨いてきた。
今季は自身初めてW杯を転戦し、ミスも重ねつつ「経験値がものすごく増えた。以前と同じコースでもうまく滑れていて、成長を感じる」と手応えをつかんでいる。競技人生で見据える目標は、30年の開催誘致を目指している札幌五輪。北京の地から、夢への一歩を踏み出す。
(佐々木想)