<中>呼吸法・心拍数を意識

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ストローをくわえて呼吸のトレーニングをする奈良情報商高の選手たち(桜井市で)
ストローをくわえて呼吸のトレーニングをする奈良情報商高の選手たち(桜井市で)

 ◇トレーニング

 水を飲まずにウサギ跳びでグラウンド一周――。根性論や間違った理論に基づいたトレーニングは、選手にとってけがや筋力低下を招く恐れもある。バーベル上げやスクワットなど、かつては画一的だったトレーニングは、時代とともに多様化してきた。指導者の熱心な勉強や、専門家による指導が選手の成長を支えている。

 県立奈良情報商高(桜井市)の練習は、ちょっと異様な光景から始まる。約30人の部員が10センチ程度の先端が丸まったストローなどを口にくわえてグラウンドに寝そべり、限界まで息を吸って鼻で吐く動作を10回繰り返す。青山典寛監督(44)は「横隔膜を上下動させてると体の重心が落ち、軸がしっかりするんです」と狙いを明かした。

 この呼吸法は6種類ある。例えば、あおむけになった選手が、別の選手にへその下付近を踏んでもらい、力を抜いて呼吸をすると、自然と力みが取れてけがの予防につながるという。

 練習前のこの30分間の「ルーチン」は、青山監督が就任した2016年に導入した。体のバランスやけが防止に関する専門家の勉強会などに積極的に参加し、最新の理論を学んできた。「自分の選手時代はタイヤを引っ張ったり、バーベルを持ってスクワットをしたりとみんな同じようなトレーニングをしていた。今は情報がたくさんある時代。体について深く考えるきっかけにしてほしい」と話す。

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 「いつも通り、自分たちの野球」。よく耳にする言葉を理論づけて実践しようとしているのは、県立法隆寺国際高(斑鳩町)だ。約2年前から専門家を招いて新たな取り組みを始めた。軽いランニングの後、キャッチボールではなく独特なトレーニングをしてから練習に入る。大会前の今は、走塁や守備での切り返しの動きを意識し、10メートルの距離を素早く往復するダッシュを繰り返す。時期によって距離や本数を変える。

 このトレーニングを練習前にする理由は、心拍数を高めるためという。西岡嘉定監督(46)は「試合中の1分間の心拍数は130~160とされている。瞬発力を高めるトレーニングで汗をかいて心拍数を上げることで、より本番に近い感覚で練習できる」と説明する。

 昨秋の練習試合では、投手の手首に心拍数を測定する機器を付けてプレーさせた。エース右腕の柚留木ゆるき優太投手(3年)は試合中160~170で推移していたという。「これを機に心拍数への意識が強まった。普段より心拍数を高めて練習や試合に臨むことで、1球目から集中して強いボールを投げられるようになった」と実感しているという。

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 いずれの高校にも共通するのは、試合で選手が発揮できるプレーを最大化しようとしていることだ。どれだけ筋力が増強されても力が出しにくい状態だとその意味は薄れる。西岡監督は「ここぞの場面で持てる力を全て出せる『勝負強い選手』になってほしい」と力を込める。

 ジュニア世代のトレーニングに詳しい立命館大スポーツ健康科学部の岡本直輝教授は「最近は、専門家らの助言を受けて大学や社会人レベルのトレーニングをするチームも増え、練習メニューが多様化してきた」と指摘する。ただ、高校生はバーベルなどで負荷をかけ過ぎて腰痛になる選手が多いとした上で、「まずは下半身や体幹といった体の基礎をしっかりつくるという視点を忘れないでほしい」と話している。

 ◇メモ 米大リーグや、プロ野球の助っ人外国人選手を中心に、試合中にガムをかむ光景をよく見かける。かむことで平常心を保ちやすくなるという説もある。

 法隆寺国際高のトレーナーを務める阪堺病院S.C.A.(堺市)の高田直則さん(26)によると、試合で適度な緊張感を保てる心拍数は1分間で135~140程度。ただ緊迫した場面では180まで上がってしまうこともある。

 高校野球では試合中、ガムをかむのは好ましくない。同校は「心拍数は上がるもの」という前提で、練習から本番に近い状況をつくり、備えている。

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32022 0 白球進化論 2018/07/12 05:00:00 2018/07/12 05:00:00 ストローをくわえて呼吸のトレーニングをする奈良情報商の選手ら(桜井市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180712-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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