<下>均整の取れた体作り

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練習後におにぎりをほおばる高田商高の選手たち(大和高田市で)
練習後におにぎりをほおばる高田商高の選手たち(大和高田市で)

 ◇食 育

 日々のトレーニングに加え、選手の体作りに欠かせないのが毎日の食事だ。近年はアスリートに必要な食事を専門家から指導を受ける「食育」に力を入れる高校も多い。練習、トレーニングの効果を最大限に発揮するためにも食事は、成長盛りの選手たちにとって重要な要素だ。

 6月下旬の平日午後7時過ぎ。練習が終わったシード校・大和高田市立高田商高の野球部室内練習場。約90人の部員が続々と集まり、食育セミナーが始まった。テーマは「夏バテしないための食事」。「暑い時に冷たい飲み物を飲むと、胃酸が薄まって消化しづらくなる」「鶏肉にカレー粉をまぶすなど、香辛料を使うと食欲が上がる」。食欲が落ちやすい季節に有効な食材や食事の時間、必要な栄養素を1時間にわたって学んだ。

 球児の食育を手がける会社から講師の派遣を受け、セミナーは2015年秋に月1回のペースで始まった。選手は座学で学んだことを家族に伝え、日々の献立に反映してもらう。セミナー当日は、体重や筋肉量などの測定もあり、選手の体調や体脂肪率など体の細かい状態に応じたアドバイスも受けられる。

 「昔はとにかく食べとけ、という感じだった。カップ麺でも菓子類でも何でも良かった」と赤坂誠治監督(41)は苦笑する。「食育の効果もあり、今の選手は均整のとれた体格になってきた。寮がなくて食事の管理ができないため、家族の協力はありがたい」と強調する。

 主将の西邨にしむら辰郎選手(3年)は入学時から体重が7キロ増えたのに対し、体脂肪率は約10%減ったという。「打球の飛距離が伸びて、一塁の守備では打球への反応が良くなった。チーム全員が具体的な目標を持って体づくりができている」

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 奈良大付属高(奈良市)も約5年前から同様の取り組みを続ける。参加は強制していないが、食育講座を受けない選手に比べ、受けた選手は1年で3~4キロ増量するという。田中一訓かずのり監督(44)は「取り組み始めるまでは、相手チームの選手を見て『大きいな』と感じることが多かった。しかし、今では『大きいですね』と言われることが増えた」と話す。

 3番を打つ東郷佑太選手(3年)は1年時は体重62キロだったが、最大で約10キロ増加した。「入学した時は外野の定位置まで飛ばすのが精いっぱいだった」というが、3年になってから試合で14本の本塁打を放つまでに成長した。

 選手の親は、LINE(ライン)を通じて食事の写真を専門家に送り、足りない栄養素などのアドバイスを受けているという。

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 ほぼ全員が寮生活を送る昨夏の甲子園4強・天理高(天理市)では、専属の栄養士が1日3500キロ・カロリーを目標にメニューを管理。1日の白米の消費量は1人あたり平均2・5キロに上るという。私立、公立問わず、食事への意識は確実に高まっている。

 永澤健・畿央大教授(スポーツ栄養学)は「練習直後にたんぱく質を摂取するなど、トレーニングなどとともに食事も専門化が進み、プロのレベルに近づいている」と指摘。その上で「食育はけがの予防にもつながる。身体測定などをして個々に客観的な目標を定めて取り組んでほしい」としている。

(この連載は細田一歩が担当しました)

 ◇試合前後のお薦めメニュー

 <メモ>永澤教授によると、試合当日は日頃から食べ慣れた食事をするべきだといい、消化の悪い油ものや、生ものは避けた方が良い。縁起を担ぎ「勝つ」と掛けて「トンカツ」というメニューはやめた方が無難という。

 お薦めは、疲労回復が期待されるトマトなど野菜を多く入れたスープや、消化が良く、夏でもあっさりして食べやすい豆腐ハンバーグ。当日は緊張感もあるので、できるだけ「普段通り」の食事を心がけるべきだとしている。

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31997 0 白球進化論 2018/07/13 05:00:00 2018/07/13 05:00:00 練習後におにぎりをほおばる高田商の選手(大和高田市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180712-OYTAI50019-T.jpg?type=thumbnail

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