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フェースシールドを着けて舞を披露し、オンラインで配信する舞子ら(奈良市で)
フェースシールドを着けて舞を披露し、オンラインで配信する舞子ら(奈良市で)

お茶屋「つるや」

舞子の伝統、素顔動画発信

 色鮮やかな振り袖姿の3人が、三味線の音色に合わせて優雅に舞う。花かんざしが髪を彩り、足元まで垂れ下がったたもとやだらりの帯が、動きに合わせ揺れる。

 舞台に立つのは、興福寺の南に残る花街・元林院がんりんいんにあるお茶屋「つるや」の舞子たち。会場はお座敷ではなく、目の前に客もいない。奈良市内のスタジオでカメラの向こう側にいる動画の視聴者にほほ笑む。

 全国の芸舞妓まいこらが芸などを披露するイベント「ならまち花あかり」。つるやの芸妓げいこ・菊乃さん(48)が「全国のお座敷文化の灯を消すまい」と始め、5回目となる今年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインで開催することになった。

 「せっかくなら舞台でできないことをしましょう」。お座敷を飛び出した菊乃さんらは、「竹取物語」をテーマに平城宮跡や浮見堂など奈良市の様々な場所で撮影。三味線の「奈良音頭」とテクノポップを融合したオリジナルの舞も初披露した。親交のある映像クリエイターらの協力を得て約30分の動画にまとめた。

 元林院は、猿沢池のほとりに明治時代に開けた花街で、全盛期の大正時代から昭和初期には200人ほどの芸妓・舞子がいた華やかな花街だったとされる。1970年代頃から衰退を始め、今では菊乃さんらつるやの4人だけだ。

 舞子の菊愛きくえさん(21)、きくなみさん(20)、菊まめさん(18)は、いずれも県外の出身。花街の復興を目指す菊乃さんの活動を知り、2018年以降に次々とならまちにやってきた。日本舞踊や三味線などの稽古に励む合間に、茶道や華道をたしなみつつ、お座敷もこなす毎日。ようやくなじめたと思った頃、コロナ禍に見舞われた。

 つるやでは、昨年3月上旬頃からお座敷のキャンセルが相次ぎ、4、5月は店も休業。その間、3人はマスクを作って客に送ったり、稽古に励んだりして過ごした。菊愛さんは「お客さんの前で芸を披露するという日常が、がらっと変わりさみしかった」と振り返る。

 6月に営業は再開。しかし、踊るときにはフェースシールドを着け、客との距離が近くなるお座敷遊びも自粛し、思うように活動できない日々が続いた。

 空いた時間を生かし、力を入れたのが動画投稿サイト「ユーチューブ」への投稿だ。舞子を身近に感じ、伝統文化をつなぐ若い世代に興味を持ってもらおうと、昨年1月に「ならまち花あかりチャンネル」を開設したばかりだった。

 これまでに70本以上の動画を作った。舞子の着付け、化粧の仕方、持ち物の紹介といった日常のありのままの姿を映し出す。羽根つきで対戦して罰ゲームをしたり、激辛やきそばを食べるのに挑戦したりするなかで、無邪気に笑って楽しむ素顔も垣間見られる。

 動画の登録者は約4000人、再生回数は計40万回を超える。動画を見た若い女性から「舞子の仕事について詳しく教えてほしい」などの問い合わせも数件あったという。

 コロナ禍で進めた芸妓・舞子のイメージにとらわれない活動には、花街のにぎわいを取り戻そうとする菊乃さんの信念がある。「伝統を守るには、伝統にこだわりすぎず、新しいことをやっていくことが大事なんですよ」(山口佐和子)

 ◇

 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちに不安や混乱をもたらした。これまでの経験を生かして、新たな発想で困難に立ち向かう人たちの姿を追った。

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1742793 0 コロナの先に 2021/01/01 05:00:00 2021/01/01 05:00:00 2021/01/01 05:00:00 フェースガード・シールドを着けて舞う舞子(奈良市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210102-OYTAI50015-T.jpg?type=thumbnail

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