医療功労賞 県内から2人

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「患者や家族の悩みに幅広く応えられる医療界を目指したい」と話す松尾さん(天理市で)
「患者や家族の悩みに幅広く応えられる医療界を目指したい」と話す松尾さん(天理市で)
診療所に出張して診察する中村さん。シャツとネクタイがトレードマーク(川上村で)
診療所に出張して診察する中村さん。シャツとネクタイがトレードマーク(川上村で)

 長年にわたって地域医療や保健福祉の発展に貢献した人をたたえる第47回医療功労賞(読売新聞社主催、厚生労働省、日本テレビ放送網後援、損保ジャパン日本興亜協賛)で、県内からは天理よろづ相談所病院がん相談支援センター看護師長の松尾理代さん(53)と、南和広域医療企業団南奈良総合医療センター・へき地医療支援センター長の中村達さん(65)がそれぞれ選ばれた。

 ◇重症患者の心を支える

 ◇天理よろづ相談所病院 がん相談支援センター看護師長 松尾 (みち)()さん 53

 がんや慢性心不全など命にかかわる病気に苦しむ患者の痛みを和らげ、生活の質向上を目指すのが「緩和ケア」だ。2002年にホスピスケア(現・緩和ケア)の認定看護師の資格を県内で初めて取得し、ケアの充実に努めてきた。

 勤務する天理市の天理よろづ相談所病院には、医師や理学療法士、薬剤師らが垣根を越えて連携し、患者の抱える問題の解決にあたる「緩和ケアチーム」がある。

 発足当初の04年から参加し、09年には「県専門看護師認定看護師協議会」を設立して代表に就いた。各地で緩和ケアの勉強会を開くなど、後進育成にも力を注いでいる。

 患者は死に直面しているケースが多い。身体の苦痛はもちろん、生きる希望を失ってふさぎ込みがちで、家族も治療法などで難しい決断を迫られて苦悩する。

 「患者の思いに耳を傾け、どうしたいのか、どうありたいのかを聴き、抱えている問題を解決する糸口を一緒に見いだしていくこと」を大事にし、患者や家族に寄り添っているという。

 原点は、大阪府守口市で過ごした子ども時代にある。小児ぜんそくに苦しみ、家族や親戚が相談に乗ってくれたことで、苦痛が和らいだように感じた。

 ダウン症の姉と妹をサポートしながら育ったこともあり、「苦しむ人(患者)には治療だけでなく、生活面や精神面での支えが必要」との思いを胸に秘め、日々、現場に立っている。

(辰巳隆博)

 ◇過疎地の診察 充実に力

 ◇南奈良総合医療センターへき地医療支援センター長 中村 (とおる)さん 65

 「血圧、測らしてもらいます」。柔和な顔で、ゆっくりと語りかけた。しわのない清潔なシャツとネクタイ姿。診察では白衣を着ない。「不潔なのはだめ。でも白衣は権威を着るようで、あまり好きじゃない」。医師になって40年。多くを医師不足に悩む山間地や過疎地の「へき地診療」に尽くしてきた。

 曽爾村出身。一定期間の地方勤務が義務づけられる自治医大(栃木県)で学んだ。県立病院の勤務を経て、赴任した十津川村の小原診療所が「医師としての原点になった」と振り返る。

 医師は自分だけ。乳児からお年寄りまで、昼夜を問わずに診ることも。山仕事の大けがや慢性疾患、最期のみとりなど様々だ。

 「特定の病気の専門医ではなくても、どこが悪いか見極められなければいけない。十津川の3年間で、どんな患者さんが来てもたじろがなくなった」

 新潟県の豪雪地の病院や県立五條病院などを経て、3年前から南奈良総合医療センター(大淀町)に勤務する。今も県内各地の診療所へ出向き、若い医師の相談にのることも多い。

 県内の16公立診療所のうち約10か所で、自治医大卒の若い医師が勤める。後任にバトンタッチされ、無医村とはならない。そうした「自治医大方式」が県内でも機能してきたという。

 「自分は現場で地べたをはうような医者。受賞は個人ではなく、へき地診療に頑張っているひとりひとりに光を当ててもらえたと思う」(中井将一郎)

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421606 0 ニュース 2019/02/04 05:00:00 2019/02/04 05:00:00 2019/02/04 05:00:00 「患者や家族の悩みに幅広く応えられる医療界を目指したい」と話す松尾さん(天理市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190204-OYTNI50009-T.jpg?type=thumbnail

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