大和路 銀世界…奈良市7年ぶり4センチ
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生駒で淡竹寒干し

本州南岸を通過する低気圧の影響で、県内でも12日午前、広い範囲で降雪があり、奈良市では2014年2月以来7年ぶりとなる4センチの積雪を観測した。奈良地方気象台によると、13日は高気圧に覆われ、おおむね晴れる見込み。
奈良市・針で1・5センチ、五條では2~3センチ、天川では12センチの積雪をそれぞれ観測。この日午前の最低気温は奈良市で0度、針で氷点下3・2度、大宇陀で氷点下2・4度まで冷え込んだ。
県警によると、車のスリップなど県内で計12件の交通事故が発生したが、いずれもけが人はなかった。
奈良市の奈良公園では、一面銀世界が広がった。鹿たちが雪を避けて木の下に集まる姿や、雪の積もった東大寺周辺の趣ある風景を写真に収める人も見られた。

明日香村でも、「日本の棚田百選」に選ばれた稲渕地区の棚田や、石舞台古墳が雪化粧した。観光客の姿はほとんど見られなかったが、歴史と自然が織りなす雪景色を写真に撮る人や、降りしきる雪の中、散策する人も。

茶道具の茶せんが特産の生駒市高山町では、材料の
約50本ずつ円すい形の束にして、傘が並ぶように置いていく。うっすら雪で覆われた田んぼで寒干しされた竹は、ひときわ映える。干した後は、さらに倉庫などで1~3年寝かせると、堅く白い光沢のある竹に仕上がる。
茶せん師の久保昌城さん(77)は「寒干しは500年以上前から続いている。年1回、この時期しかない風景なので、じっくり楽しんでほしい」と話している。寒干しは3月頃まで続く。