日本人の粋な嗜み紹介
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典雅な鉄砲秘伝書、金の屏風・・・
2月14日まで 大和文華館 新春彩る20点


奈良市の大和文華館で、日本人の暮らしを彩る趣味と教養の世界を紹介する特別企画展「大人の
同館所蔵の「稲富流鉄砲伝書」(桃山時代)は、約20年ぶりにまとまった形で見ることができる。徳川家康の孫で越前藩主の松平忠直が、若き日に砲術師から伝授された90紙からなる奥義の書で、鉄砲の構え、火薬の調合などを記す背景に、源氏物語を主題とする下絵が金銀で彩られている。
泉万里学芸部長は「鉄砲が戦いに用いられていた時代に、これほど典雅な書物が作られていた。秘伝書であることから、折りたたんだ状態でほとんど開かれなかったとみられ、非常に状態が良い」と話す。
「花を飾る」と題したコーナーでは、室町時代後半から江戸時代初期にかけて完成したいけばなの様式美を、六曲一双の屏風にずらりと描いた「立花図屏風」(華道家元池坊総務所蔵)が目をひく。「古画を味わう」のコーナーでは、徳川幕府の御用絵師を務めた狩野探幽が古画を模写した3点の「縮図」が、江戸時代の古画鑑定の様相を伝える。
2月14日まで、月曜休館。入館料は一般630円など。問い合わせは同館(0742・45・0544)。