水路転落死 対策難航
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昨年 自転車の5人
県内で柵などのない用水路や川への転落死亡事故が相次いでいる。県警によると、昨年1年間で県内の交通事故による死者25人のうち、5人が自転車に乗っている際に誤って用水路などに転落して死亡した。県警や市町村などは対応を検討しているが、住民の生活の利便性や水防活動などのためには、柵を設けないほうがいい場合もあり、対策は難航している。(山口佐和子)
柵設置 水防に支障


昨年11月21日夜、天理市小田中町で、水路沿いの道路を自転車に乗っていた50歳代の男性が、水路(珊瑚珠川、幅約2・1メートル、深さ約1・5メートル、水深約25センチ)に自転車ごと転落し、窒息死する事故が起きた。
近くの男性(69)によると、住宅街にある狭い道で日中は車通りが多く、柵などを設けると車がすれ違えなくなったり、川の掃除をする時に不便になったりする。男性は「事故が起きないよう整備したいが、暮らしの利便性を考えると難しい」と語った。
事故を受け、水路に面する市道を管理する天理市土木課は、道路と水路の境目を見やすくするため、道路の端に小型の道路
柵を設置すれば安全は確保できるが、支障も生じる。川を管理する県河川整備課によると、川の近くに柵があれば、大雨の際に堤に
そのため県警では、自転車の乗り方の意識向上を呼びかけている。天理署は昨年末に市内の商業施設で啓発活動を実施。買い物客らの自転車のハンドルに、「前かごや荷台に荷物を載せすぎない」「道路と水路の境が見えにくくなる夜間の運転ではライトを点灯」などの注意事項を書いたチラシをつけるなどした。
県警交通企画課は「通い慣れた道でも水路を甘く見ず、夜はライトをつける、しっかり前を見るなどルールを守って運転してほしい」と注意を呼びかけている。